このレモンは、鮭の切り身の上に行き着くことを、想像したことがあるだろうか？　同じ木のレモンには、レモネードになったものもいるし、画家のモデルになったものもいる。彼らは否が応でも、自分らの運命に従わなければならない。

わたしは空の星に微笑みかけている。その星はキラキラ光ることで、わたしに微笑み返しているとわたしは想像している。けれど、光でわたしを突刺そうとしているのかもしれない。

わたしの体はわたし自身のクッションだ。

わたしは瞑想しているの？　それとも眠っているの?

わたしの毛糸の材料になった羊の目の前でセーターを編んだら、羊は怒る?

今夜はわたしの夢とわたしの猫の夢を取り替えたい。飛行機に遅れる夢を、猫がみませんように。

人間であることは、わたしのパートタイムの仕事だ。

わたしは自分のことばかり考えているが、今わたしの目の前にいるグレープフルーツは、自分のことを忘れさせてくれる。グレープフルーツを見ている間、人は自分のことを忘れていてほしいと思う。

今夜は暗い空を飲みたい。