ナタリア・ゴンチャロワ(1)

ナタリア・ゴンチャロワ(ナタリア・セルゲーエヴナ・ゴンチャロワ、Наталья Сергеевна Гончарова)(英語表記 Natalia Sergeevna Goncharova)は、1881年ロシア生まれの美術家です。彫刻を学んだ後、モスクワで絵画の勉強をし、作品を発表。パートナーであるミハイル・ラリオーノフと出会い、1919年にパリに移住、1962年の死去までパリで暮らします。

これは1910年の作品、Peasant Woman from Tula Province(トゥーラ地方の女性小作人)です。ゴンチャロワは、モスクワから三百キロほど離れたところにあるトゥーラ地方で育ちました。その土地の女性を描きたかったのでしょう。刺繍が施されているこの服は、ロシア農民の民族衣装なのでしょうか。わたしの目には、この女性が戸惑いを感じているように見えます。どこに目線を向けていいのかわからないような。この衣装も、着こなしているというより着せられているような印象すら受けます。モデルとして画家の前に座るのは、これが初めてだったのかもしれません。と同時に、彼女の体からは頑丈な自信が感じられます。

テート・ギャラリーのNatalia Goncharova Exhibition Guideより。

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