編集室/雑記帳(2000.2.26〜2.28)
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編集室/雑記帳(2000.2.26〜2.28)


昨日はビール飲んで。 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月28日(月)09時28分43秒

昨日は、8時ごろビールを飲んで、眠くなって寝てしまいました。

詩に関する掲示板の不具合の原因がわかりました。単に、借りてい
るディスク領域にファイルがオーバーフローしていたわけです。と
いうのもqantaと2人で使っているのですが、かなりの領域があるけ
ど、最近彼がデザインのテストでかなり使っていたりして、知らず
に溢れちゃったわけです。

博道ちゃん、HTMLっていうのはハイパーテキストマークアップラン
ゲッジの頭文字で、この掲示板もHTML形式になっています。正式に
読んでもらおう、というHTMLファイルを仮に正式HTML版と僕が呼ん
だわけです。
そういえば、「鰐組」の156号というのが出てきて、エッセイ読んだ
よ。前に読んだことあると思うけど。カキは好物です。
サラの野原の部屋、一部推敲しました。9と10のほんの少しだけど。
サラの野原の部屋
愛はまぼろし(山本博道 作)

kenさんというあっちゃん(田中宏輔さん)の友達の方、はじめまし
て。

布村さんの書いた関さんのとこのサイトは、
関富士子さんのrain tree
です。

あ、あっちゃん、おはようございます。






ありがと、ken. 投稿者:田中宏輔
 投稿日:02月28日(月)09時25分29秒

。。。kenくんへ。


   投稿時間を見ると、朝の4時過ぎになってる。

   ここに来るの、時間かかっちゃったみたいだね。

   きのうは、ありがと。

   極悪非道のぼくだけど

   こころのどこかには、まだきれいなところがあって(あると思う)

   そこに、kenをいれておく。

   いれてる。

   、、、、、


   マインド・コンドームの感想も聞かせてくれたら、うれしい。

   ここにでもいいし、直接faxで聞かしてくれてもいい。

   電話と同じで、075ー722ー7896。

   きのう、ジュンク堂という本屋さんで、グイン・サーガの

   ところに行ってパラパラとめくってみました。

   SFの話も、もっとしたいし。

   dehadeha.

                  あっちゃんブリゲ。。。

   






田中宏輔さま 投稿者:ken
 投稿日:02月28日(月)04時15分48秒

どもども!kenでございます。
どうにかこうにかマインド・コンドームにたどりつけました。
ゆっくりじっくり読ませていただきます。
ひとまずは足跡だけ残していきます・・・・。
またいろいろお話聞かせてください。
ではでは。。。






独り静かな夜にありをり。 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)23時20分36秒

<愛はまぼろし>は、峠と云った処でせうか。大体先が見えて来まし
た。亮一と真美、二人の運命や如何に。ん? 殆どの人が読んでいな
い? ああそお。ふーん。まぁいいけどネ。どうせ俺らは流れ者、旅又
旅の身にて候。鱗造ちゃん、どーしたの?今夜はお留守? 拙作編集
してくれてありがとう(^^)。愚作なのに…。お恥ずかしい(^^)。
書いてる時は結構乗ってる時もあるんだけど、改めて読んでみる
と、うーん、拙いなぁ。詩がいいとこかな、せいぜい(^^)。それだっ
て大したこたぁない。今夜はもう寝ようって思っています。朝、起き
らんないから。チューリップ一鉢買ってネ、いまぼくの部屋の出窓
にあるの。赤に白のふいり。少し、詩も書かないとな。何書いていい
かわかんないんだ、じつのところ(^^)。書き過ぎで。何とか、めっけ
て書こうとするんだけど、週に何作って書いちゃうこと多いから、
似通っちゃって(^^)。無理して書いてる状態が、もうここ数年続い
ているの。まあ、ビョーキの一種だろうネ、これも。
それでは、どなた様も、火の元に気をつけて、おやすみなさい。
東京豊島区の一角からお伝えしました(^^)






愛はまぼろし/第26回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)21時12分13秒

「お前、明日のというか、もう今日か。夜、空いてないか?」 「ロケが一
本あるけど、7時位なら何とか東京に戻れる」 三村は大曾根が無類
の女好きだと言い、その前祝いのパーティーに何人かの女たち、そ
れもショーダンサーやら、下も見せる女たちを呼んでいるのだと言
った。「まぁ、エロ爺の回春剤ってとこか?」受話器の向こうで三村が
卑猥な言い方をした。そして三村はその中の女の一人がどうやら大
曾根のタイプらしく、ホテルにでも入る現場を抑えられたら相当の
金になるゼと言った。大曾根の好む女のタイプを心得ている秘書が
見つけて来たのだという。「何でお前、そんなこと詳しいんだ?」 「蛇
の道は蛇だよ」 三村はその女の写真も撮ってくれと俺に言った。
「名前は、えーと、伴野真美ったかな?」 「ふーん」 「何でもバンビっ
ていうらしい。伴野の伴と真美の美で」 「…バンビ?」 「うん。俺の
入手した資料にはそう書いてある」 「…バンビ…」 「何だよ知って
んのか?亮一」 「いや。知るわけねぇよ、俺が」バンビって、あの女か
…。あの雨の夜の俺と寝たバンビ、なのか? 三村は待合せの場所を
俺に伝えると一方的に電話を切った。[この項終わり






愛はまぼろし/第25回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)20時50分30秒

俺は部屋の明かりを点けた。ベッドの枕元にある電話機が赤い目玉
を点滅させている。一件はお袋からで、祖父の13回忌法要のことだ
った。そしてもう一件は、気の置けない三村からだった。三村と俺は
境遇が似ていた。彼もまたある雑誌社のノンフィクション賞を受賞
しながら、その後鳴かず飛ばずで、いわゆるトップ屋に身を窶して
いた。話があるから電話をくれという短い伝言だった。俺は三村に
電話をした。「ずいぶん遅いんだな、帰り」 「ああ。で、用って何だ?」
「それがさ、お前も知ってると思うけど、政権会の大曾根。奴が今度
、新株のインサイダーでパクられそうなんだ」 三村の話は、要約す
るとこうだった。政権会の大曾根という大臣経験者の大物政治家
が株のインサイダー取引で東京地検に摘発されそうなのだが、そこ
は権力者で、内々にしてしまおうと各方面に手を回している。それ
で何とか揉み消しが図れそうだ。それを期にというか、その前祝い
で一席設けるらしい。三村はそこに侵入して、その事件の真相を暴
くのではなく、何かよからぬ取引を企んでいるらしい。それでこの
俺に現場写真を撮ってくれないかということだった。「それでな」
三村は声を潜めた。






愛はまぼろし/第24回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)20時29分48秒

理佐によって二度、射精させられてマーメードを出た。帰りがけに
フロントの和夫が、今度はあたしに亮ちゃんのおちんちん、容れて
ね、と小声で俺の背中に言った。東京新宿歌舞伎町は不夜城である
。パーキングに行くまでの間に何組もの男女が欲望のように縺れ
合っていた。東南アジア系と思われる女性が俺の側に近づいて来
て声を掛ける。「ネェ、オ兄サン遊バナイデスカ。3マンエン。ワタ
シ、サービス、シャクハチ、巧イダカラ、ダイジョウブ」 断ってクラ
ウン・マジェスタの運転席のドアを開け、エンジンを掛ける。サイ
ドミラーに別の日本人の男に近づいて行く女が映っていた。

荻窪のマンションに着いたのは12時少し前だった。暗い部屋のバ
ルコニーに洗濯物の影が見えた。結婚でもしていたら、明るい部屋
で、夕餉の支度をしている妻がその洗濯物を畳んで、俺を出迎える
のだろうか。ガキの一人でもいたら土産はないのお父さんと訊く
のだろうか。俺は弟の亮二のことを思った。あいつは配達先から軽
自動車に積んだ花の段ボール箱を今日も空にして一日を終えたの
だろう。親父とお袋と、妻や子どもに囲まれて、「フローリストADACH
I」の跡継ぎとして。






愛はまぼろし/第23回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)20時03分19秒

薄い壁を通して、隣室の女の喘ぎ声と太く短い男の吐く息遣いが
時々聞こえてくる。俺の下では理佐が、俺の背に回した手の指の先
に力を込めている。誰に教わったわけでもなければ、何処で学んだ
わけでもない。だが、どんな女も本質的には違わないと俺は思う。
結局、男と女は何の理解もなく、何の苦もなく、こうして一つになれ
て、夫婦として生活も共にできるものなのではないだろうか。俺は
そんなことなどボンヤリと思いながら、理佐の湿地を茎で掻き交ぜ
ながら、理佐の被せたピンクのコンドームの中に射精した。
隣室からはくぐもった女の笑い声がする。きっと、そこでも一つの
幕が下りたのだろう。俺はタバコを一本、ベッド脇のガラスの台の
グラスから取って吸った。ティッシュペーパーを萎えた俺に被せて
コンドームごと、理佐は拭きとった。「ねッ、まだ時間あるから、もう
一回、しましょうね」 そう言って身体を起こして洗い場に立ち、カ
ランを捻って湯水の加減を整えている。俺は萎えた濡れた陰茎を垂
らして、その言葉に従った。立て膝をしている理佐の深い陰毛が見
え、続いて柔らかそうな下の唇が、得体の知れないこの先の俺の人
生を感じさせるように見えた。








駿河昌樹の評論 投稿者:布村浩一
 投稿日:02月27日(日)19時49分53秒

関富士子の「レイン・ツリー」に駿河昌樹が詩人論を書いています。
ぼくの詩が対象ではありますが、「コーヒーと紅茶」から詩と詩人
を解き起こすという、斬新でユーモアに満ちた方法ではじまる、ていねいな
読みこみの好評論です。ぼくははげまされました。



読後感想文 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)17時06分16秒

>鱗造ちゃん
そーやって、いつまでもいい子で書いていなさいネ(^^)
ん? 脱稿しちゃったのか? これで。惜しい。
でもまた、やるんでしょ? つぎ。ハード・バイオレンス・エロティ
カル・ポルノグラファー。しっかしなぁ、まぁ、うん(^^)
まあ、いいや(^v^)。そっか、そっか。蝶が入って来て、出ていく
のね。べつに昔がよかったとは思わないけど、上村一夫の『同棲時
代』とかサ、野口五郎の『私鉄沿線』とか『女友達』とか、そーした時
代をホーフツとさせる男の女のメルヘンチック・ストーリーだ
よね(^^)。鱗造ちゃんのは。実際の頭の中は知らないけど(^^)
構造的にはと言うか、精神のあり方としては、そんな感じだと思っ
た次第です。ソフトで、いいんじゃないかな(^^)
個人的には、ちと気に入らないけど(^^)

アワビ高いから、カキ? うん、いいよ。おれ、カキは食えないけど。
当たるの。貝類は苦手。ずいぶん、苦労してきたしネ(^^)

Q;ねぇ、HTMLって、なぁに?






正式HTML版 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月27日(日)13時20分32秒

サラの野原の部屋
は、正式HTML版もいちおう完成しました(先々、推敲あります)。

愛はまぼろし(山本博道 作)
も、作りました。これは進行中。
博道ちゃん、アワビは高いので、カキの写真にする予定です。






ロマンチックは止まらない 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月27日(日)11時45分08秒

という具合で、『サラの野原の部屋』を脱稿いたしました。
というのも、今週はいろいろいそがしそうだから。マルチタスクは
ある程度できるけど、なかなか、終わらないと落ち着かなくて。
6葉の最終部の性愛描写は、あと5倍ぐらい書かないと、全体が締ま
らない感じがあるけど、僕の場合、ロマンチックの反動で露骨だか
ら、その部分、いずれメール配信にしようと思います。

青木さん、どうも。書きなれてきましたね。FAXでの文面の調子があ
らわれてきている感じです。






高原から街へ飛ぶ部屋(サラへのララバイ) 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月27日(日)11時35分55秒

葉篇小説
「女のコのいる部屋」第10葉
高原から街へ飛ぶ部屋(サラへのララバイ)

 畑の間の道を抜けていくと、山へ向かう入口のあたりの空き地に、まだ若い樺の木が
あった。山へ向かう、といっても、すでに標高は高く、空気は冷たい。黄緑色の葉がと
きどき、びゅーっ、と吹く風に白い葉裏を見せる。
 僕はなんだか、その若い樺の木が話しかけているように感じた。

 その前日、サラと僕は谷間の宿に泊まった。谷間には、植林業者がふだん使うトロッ
コで降りていく。真っ青の尾根の空が、深い森にパッチワークのような小さな布のよう
な斑模様になり、やがて谷川にも近い暗い平地に出る。
 僕らは、民宿の谷側と山側に面した部屋に案内された。窓を開けておくと、谷側から
山側へと蝶は抜けていった。

 窓からは蝶がひらひら入って来て出て行った
 とめどなく入って来て出て行くのであった

 やがて夜になり、電線の通っていないこの宿の自家発電での豆ランプだけの光にな
る。トイレにいく廊下の左右にも、豆ランプの列が続いているだけだ。

 樺の木は、全体的に少し渦を巻くようにしなり、またすっくと立って、次の風に備え
ているように見える。木立の根元には、花々がところどころ咲いて、インスタントカメ
ラで何枚か、その空き地の様子を納めた。
 僕たちはまた、いつしか同じ感情が戻ってくる。手をつないでいるうちに、サラをと
ても抱きしめたくなる。サラも同じで、僕のほうを見る。一瞬おいて、僕たちはまた子
どものふりをしてふざけながら歩いた。
 やがて僕らは原始林に入った。手付かずの森で、苔や、太い幹の木々は、大昔からの
風情を見せているようだ。その森を抜けると、短い草の生えた尾根に出た。高山植物の
夢のような群落が続いている。
 サラと僕は大きな岩に座る。僕はサラの肩を抱いた。サラは頭をもたせかけてきた。
サラの長い髪と左側の広いおでこが見える。サラは度の低い近視眼鏡をとって、胸のポ
ケットに入れた。そして目をつぶった。
 一面の自然の花園である。僕も目をつぶった。……

 ふと気づくと、僕らは街にいた。街の小さなコーヒーショップ、その椅子に並んで腰
掛けて、サラは僕の肩に頭をもたせかけていた。前のテーブルには褐色の砂糖が入った
ガラス瓶と、コーヒー茶碗が二つ。小さくビートルズがかかっている。

 知らないあいだに
 山の道は街の路地へと変わっている
 おもしろいね サラ
 サラ
 たぶん 一つの恋は
 たくさんの恋だ

 街から花園へ
 高原から路地へ
 自由自在に場所を移すことができる
 たくさんの女と男の恋

 そして サラ
 サラの聴いたものや見たもの
 音楽や映像が
 いつも枕辺の
 ララバイになり
 次々に色を変えるスクラップブックを作っていく

 サラは女で僕は男で
 それはたぶん
 樺の根元の二つの小さな青い花なのだと思う






これが、最後。 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)10時56分28秒

あとは夕刻まで、この電源を落としますが、いま、自作の第22回を
読み返して、性描写の方が、普通の箇所よりも生き生きとし、活力
あるんじゃねぇかと、ふと思えたとき、私は情けなさで些か気が
滅入るのでありまする。清水鱗造氏を甘いオブラートとすれば、私
はそれに包まれた苦い薬か。然も良薬でなく。
とも考えるが、やはり清水氏には、もっと泥に塗れて血を流し、泪を
搾って、男女間の深く暗い河を描いて欲しいと思う。そうでなくて
何の文学などと大仰なことを言うのではい。私は私のいま置かれて
いる立場を考えて、そう思うのである。私だけ浮いているのが人生
ではあるまい。彼も人の子。ならば苦き薬を口にして、女はそれを口
にした。私はその中でいま見ているこの夢が…ん? 何か原稿交ぜこ
ぜになっちゃいました?(^^)
だからネ、いいお天気ッ(^^)
天気のことを言って怒る人はまず、いない。えへッ(^^)。






白白白、白いボード、白白白 投稿者:青木栄瞳
 投稿日:02月27日(日)10時51分01秒

布村さん>、清水さん>
パソコン,スタート。一週間。
ちるさんの、掲示板でも、あそばせて いただきました。
ちょっと、マスターしたので、ここらで、
また、別世界にでかけます。
ありがとうございました。

白白白、白いボード、白白白、

今日は、支倉隆子さんの会、
(ほんの、口こみ程度の小さな詩話会、毎月定例会費500円)
に、でかけます。
どんなお客様に出会えるかしらと、そちらも楽しみです。
天使の羽を、一枚ひろってきたいです。

白白白、の、白いボード、白白白 チョークも白、かな、







と、言って 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)10時34分39秒

電源を切り、コンセントを競馬の投票機の方に切り替えようと
第22回の原稿をプリントアウトして、スクロールしたら、な、な、
何と、清水鱗造氏と同時刻に私は打鍵していたらしい。
改めて、鱗造ちゃーん、おはよッ(^^)。
そうだよ、書き込こまなきゃ、性愛描写。
ずるっこしいの、なしネ(^^)。毒を食らわば皿までも、と。
へぇーッ、仕事の関係でソープランド行ったの?(ん?、本読んだだ
けか) ぼくネ、何でもベンキョーって考えてんの(^^)
ほら、学校時代にベンキョーしなかったから、社会に出てからは、
ベンキョー、ベンキョー(^^)。芸は身を助く。ベンキョーは芸の肥
やし(違ったっけ?)。やっぱサ、スーツびしっと着こなして、分厚い
本携えて、人生はそも哲学はってナシだと思う。ボロ着てネ、髭ボー
ボーで、段ボールのお家で煙草とか餌拾って、んで、語らせたら右に
出る者は、精々五、六人。そんな男に私はなりたい。なれないと思う
けど、たぶん。大昔、池袋の西口のガード下で、乞食が、岩波文庫のよ
うな本、見てたことあったけど、いまだに覚えてて、うん。何かネ、
おれ、何でも一生懸命でサ、必死なのがいいな(^^)。悲愴じゃなくて
ネ。






訂正文の訂正 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月27日(日)10時13分34秒

また間違えた。第8葉は、第9葉の間違い。






シルエットの見える部屋の訂正箇所。 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月27日(日)10時11分05秒

第8葉の、

> ふと起きると、電話が鳴っている。

を、

> ふと起きると、本の上に横顔を当てて寝ていた。僕はコーヒーを入れて、煙草に火を点けた。

に訂正します。






陽が高い、風が斬れる。 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)10時10分03秒

やー、みんな、おはようッ!
よく寝た。9:15AM迄。それも実家に土日は泊まっている妻にピンポ
ンで起こされて。寝たきりの義母。義父は病院。で、10:00AMに客が
来ることになってて慌てて起きて、コーヒー飲んでパン食べて、自
室に入った所で来客。セーフ(^^)。執筆活動に気が入って疲れたと
みえる。あんなものでも、けっこう疲れる。直接書いて、推敲なしで
だから、どーしてもアラだらけになってしまう。まぁ、これもおの
れの力量。私の筆力は多分この程度だと思う。詩は決定稿にするま
で、一発のものもあるが、書き直すものも、ボツにするものも多い。
来客のため、いつもは座敷で歩き放題、飛び回り放題の鳩が、籠に
入れられたまま私の部屋で、借りてきた鳩のように鳴きもせず、
大人しい。さて、競馬でもやるとするか。夜はまた『愛はまぼろし』
の続きを書く。晴天である。窓を開けてみよう。家々の屋根瓦が
冬の終わりの朝の陽を浴びて、光っている。風が冷たい。
とりあえず、私はこうして生きている。では、また。


博道ちゃんの今度のは。 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月27日(日)10時08分33秒

博道ちゃん、今度の描写はソープランドですか。
なんかよくシステムがわかる感じ。実はこのあいだ、ソープランド嬢の
書いた本(文庫本)を、仕事関係で読んだばかりでした。






9、10 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月27日(日)01時10分55秒

博道ちゃん、僕の書きこみ中に博道ちゃんが書いたのはまだ読んで
ない。(^^)ゆっくり読みますよ。
僕のは、9、10とくるから、これは数字でいえば、水を表わしてい
るから、流しつつ終わるって感じになるわけ。ほんとは6の性愛の
部分を書き込まなきゃだめだと思ってるけどね。
まあ、夜間飛行のイメージが浮かんじゃったからねー。(^^)
博道ちゃんの、『ブル赤』なんて、女のコに好かれる詩集だと思う
よ、話が別だけど。
僕はこれから、夜おそいけど、詩集を読みます。
おやすみ。






読んだよ。 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)00時57分46秒

鱗造ちゃん
読んだよ、第9話。まー何てぇか、ずるっこしくて呆れた(^^)
そりゃさぁ、俺だってできるわサ。人に好かれようって書けるわ
サ。それをネ、俺は嫌われもんでもいいから、危ない橋渡って、
人間とは何ぞやって本質に迫るがゆえに苦労深山の不如帰だわサ。
それをサ、自分ばっか、メルヘンチックで、いい役やって(^^)。
女の子に好かれよーとしてからに。「サラ」さんステキ、しみりんサ
ンモステキってか?
これじゃ俺はヒールだわサ。うーん、図られた。
そんな気がする午前一時。たくぅーっ。
あのねぇ、まぁいいや(^^)。
どーせおいらはエンターテイナー。
おーい、高木さーん、飲んでるかーい。
本日の営業終了。第13回第22回まででした。書いた、書いた(^^)






愛はまぼろし/第22回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)00時45分01秒

この世に生を受けてまだ19年しか経っていない一人の少女とも言
える女が、こうして男を悦ばせる術を知っていることが、俺には何
故か悲しみのように思えて仕方がなかった。男と女は、互いに何も
知らず、何の理解もなくてさえ、こんなことが出来てしまう。そして
それはそれで感じてしまう。亮一は人の心と身体が、じつはバラバ
ラなものではないのかとよく思う。俺は爆発寸前で理佐を促し、浴
槽から出てベッドに誘った。そこでも理佐は、俺を銜え、音を立てて
俺に自分の唾液を混ぜて、口で扱いた。そしてガラスの台の下に置
いてあったポシェットからコンドームを取り出すと袋を破り俺に
被せた。俺が撮ったコンドームも、こうして夜な夜な使われている
のだろうか。理佐は被せて、また俺を口にした。ぬめる感じが俺とゴ
ムの間を隙間なく塞いでくる。下から手を伸ばすと理佐は潤ってい
た。「今日はダブルで指名してくれたのね?」 「ああ、そうだよ」 マ
ーメードの時間は50分単位で、ダブルは100分ということになる。
「いっぱい、してね」 理佐の眼が悪戯っぽい。俺は理佐を狭いベッド
に仰向けにさせて、上になり、硬くなった茎を沼のような理佐の湿
りに沈めた。






シルエットの見える部屋 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月27日(日)00時36分54秒

葉篇小説
「女のコのいる部屋」第9葉
シルエットの見える部屋

 夜間飛行を誘うもの、それは静寂だ。僕はまず、部屋の明かりを消す。それから、蛍
光灯スタンドのスイッチを切る。すると、部屋の前の景色に、遠くの四角い部屋の明か
りが目に入る。それから、下にはぼんやりとした水銀灯の光。また、もっと遠くには、
ネオンサインがチラチラと光る。
 やがて、僕は本の上に顔を伏せる。
 そうすると、地平線に隠れようとしている月に、乾いた火山や、乾いた海が見えてく
る。
 星がまず、一つまたたく。そして二つ、三つ、十、百、千、万、やがて、空いっぱい
が星の砂の嵐となる。ところどころにときどき浮かぶ、傷のような線、それは流れ星だ。
 僕の体は蛍光に包まれ、窓を開け、夜間飛行に出かける。

 サラ、僕は今日、夢で夜間飛行したよ。
 そのことを書いてみるね。

 僕はまずまっすぐに昇っていった。
 それから、遠くのサラのいる部屋の方角へと、ゆっくり向きを変える。
 右手、南には少しだけ、黒い海も見える。前の東には、街の光の数がだんだん増えて
いく。後ろは西で、光は徐々に地平の闇に融けていく。
 右下には大きな道路に、車の流れの光が川のように続く。
 数カ所、クリスマスツリーのような高層ビルがアラベスクの飾りのようにも見える。
僕はあの光の木のほうへと飛んでいこう。僕は、魔女のように洋服のお腹は地上の光を
受け、あの点滅した光を出している遠くの飛行機のように空を飛ぶ。
 やがて光の木の間を抜け、光の塊の繁華街を抜け、ところどころの光のない公園の上
を飛び、サラの住む辺りの上空に着く。
 サラの部屋のある家だ。僕は下降する。
 テレビアンテナを避け、電線を避け、僕はサラの部屋の窓の近くに降りていく。
 サラは、机の上に色鉛筆を出して何か描いている。

 ふと起きると、電話が鳴っている。
「もしもし、あ、サラ」
「こんばんはー」
「サラがいま何してたか、当ててみようか」
「当ててごらん」
「いま、机の上に色鉛筆があるでしょう」
「うん、引き出しから出したの、どうしてわかるの?」
「夜間飛行したからね」
「えーっ」
 とサラは笑う。
「じゃ、あなたが何をしていたか、当ててみようか」
「当ててごらん」
「あなたは、コーヒーを入れたの。だから、コーヒー茶碗があって、あなたはまた煙草
にライターで火をつけたばかりで、いま右手にもってるの。左上には電気スタンドが点
いていて、その下に便箋と二冊の詩集があるの。それからウォーターマンの万年筆が一
本」
「よくわかるね」
「わたしも夜間飛行したからね」
 二人で笑って、二人とも机の上を見る。
 外は闇だ。二人とも電灯を消してみることにした。
 地平線に沿って、建物の明かりが横に広がっている。僕の場合は東に、サラの部屋か
らは西に。その光の遠い粒の列の向こうに、サラの部屋も僕の部屋も探そうと思えば、
探せるようにも思えるほどたくさんの光が続いている。

 サラ
 このあいだ買ったハチの巣の蝋でできた
 蝋燭を遠くで灯してみよう
 小さな光は遠くの話を伝えるのに十分だ
 ほら サラ
 サラのシルエットが揺らいでいるのが見える






愛はまぼろし/第21回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月27日(日)00時21分54秒

理佐はスカートを脱ぎ、フロントホックのブラジャーとパンティも
外した。そして風呂の湯を入れる。部屋は四畳半位の広さで、そこに
浴槽と洗い場とベッドがある。ベッドの脇のガラスの台の上には何
種類ものタバコと小さな時計と、理佐の場合はポケモンの黄色い縫
いぐるみがある。昼間の理佐は看護学校に通っていた。そして彼女
はある大学病院で見習いをやっていて、多い時で週に一、二度、この
アルバイトをやっている。理佐の清潔感は多分、彼女が若いという
ことだろう。そしてこの仕事を始めてまだ3ケ月目ということもあ
るのだろう。理佐が俺を座らせる浴室の椅子に湯を掛けたり、歯ブ
ラシを用意しているのを見て、そんなことを思った。「どうぞ」理佐
に促されて俺はその椅子に座る。理佐の白く柔らかい指が俺を握っ
て洗う。そしてその指が俺の尻を洗う。椅子の真ん中はそうして洗
いやすいように凹んでいる。「マットは?」 「大変だからいいよ、しな
いで」 「じゃ、お風呂入って。私も、いい?」 浴槽で俺は下半身を浮か
せて理佐が俺を銜えやすいように体勢を作った。両手で大事なもの
を包み込むように理佐は俺を撫で、口を近づけて来る。






愛はまぼろし/第20回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月26日(土)23時59分55秒

先客は二人いた。一人は学生風の若い男で、もう一人は中年の鞄を
持ってメガネを掛けたサラリーマンだ。誰も見ていないテレビから
はニュースが流れていた。俺はタバコの煙を一気に吐き出し、今日
の理佐は俺で何人目だろうと思った。和夫がカーテンを開けて「理
佐さんご指名のお客様、お待たせしました」と他人行儀に言う。待合
室を出てすぐ右手の階段の下にチャイナドレスを着てタオルを手
に持った理佐が、片膝をついて俺を迎える。「いらっしゃいませ」
マーメードには客を接待する部屋が20室ある。週末の今日はどの部
屋にも客がいて、どの部屋でも客は性を愉しみ、従業員の女性たち
は身体を開いて稼いでいるのだろう。需給のバランスが見事にとれ
た部屋、部屋。俺もその客の一人か。そう思うと亮一は自然と気が滅
入ってくる。「何、考えてんの? お久しぶり」 理佐とは一カ月振りだ
と俺は思った。どの個室の入り口にも客の靴と女性たちのサンダ
ルが揃えられて置かれている。「会いたかったわ」 部屋に入ると理
佐が薄手のスーツの上着を脱ぎながら言った。「浮気してたんでし
ょ?」 こうした仕事をしている女の割りには理佐は清潔感を持って
いる女だ。






愛はまぼろし/第19回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月26日(土)23時39分51秒

俺はやはり似たような雑居ビルの一階にあるマーメードのドアを
開けた。「いらっしゃいませ」そう言ってカウンターの中から和夫
が顔を上げる。「亮ちゃん!」 人懐っこい笑顔だ。「あ、理佐さんね。す
ぐご用意できるわよ」 急にお姐言葉になる。和夫は立派な体格の
男だが男が好きな男だ。どこのオカマバーに勤めても客や従業員と
トラブルになる。原因はどこのオカマバーでも男の取り合いであ
る。和夫の面倒を見ているあるオカマバーのママが、ここならいい
だろうと勤めさせたのがマーメード、つまりソープランドだった。
「ちょっと、待っててね」 そう言って和夫はカウンターから出て俺
を待合室になっているカーテンの中のソファに導く。「あんまり抜
いちゃイヤよ」 しなを作って俺の股間を握ってくる。「止せよ、俺の
は男用には出来てないんだ」 「亮ちゃんにその気があったら、あた
い、いつだって処女あげるのに」 「処女じゃないだろ?」 「今日は、処
女」 また一人客が来た。「いらっしゃいませ。ご指名はございます
か」 和夫は急に男言葉で客に対応する。尤も、和夫は男だが。俺は
待合室のテーブルの上のグラスの中からタバコを一本抜き取り火
をつけた。






愛はまぼろし/第18回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月26日(土)23時19分51秒

スタジオを出るとき、亮一は車にしようかタクシーを拾おうかと一
瞬迷った。カメラ機材を自分の青いクラウン・マジェスタに積んだ
からだった。明日の仕事は週刊誌のグラビア撮影で湘南ロケだ。亮
一の住む荻窪からスタジオのある南浦和まで来て、そこから行く
のは面倒である。亮一は車に乗ってルーム・ミラーに自分の顔を映
した。ビール二本なら大丈夫だろう。とにかく今度捕まったら間
違いなく免停になる。車がなければ仕事にならない。
 結局亮一は自分で車を運転し、その車を新宿区役所裏のパーキ
ングに停めた。そこは日本一の歓楽街で、狭い一角に飲食店が犇め
いている。明日は早いから軽く一軒飲んで、理佐にでも会って帰る
か。亮一はそう決めると歌舞伎町二丁目の雑居ビルの一階にある
日本料理店に入り、一時間ほど時間を潰した。そして店を出る少し
前に携帯電話で「マーメード」に電話を入れた。「15分ほどでご用意
できます」 耳に取り繕った和夫の声が聞こえてくる。「俺だよ」
「あッ、亮さん?」 和夫は数カ月前までオカマバーに勤めていたが、
客とトラブルになり、いまは「マーメード」のフロント係をしてい
る。[この項終わり]






この辺 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月26日(土)22時37分51秒

亮一が、弦巻中学を出たとか、急のウチの近くになったので、なんか
おかしくて笑いました。馬事公苑も近くだし。(^^)


縦組 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月26日(土)22時30分56秒

あっちゃん。

>岩にくっついた海生動物の描写が生き生きとして
>物語の中で物語をつくるという入れ子構造もいいなって思いました。

僕も自分で見た、鮮烈な映像みたいなものを核にしていろいろ書いている気が
します。ほんとうは水中は、近視なので、ぼやけてるので、とても近づいて見
てるんです。でも最近は度のついた水中眼鏡があるようです。ほんとに、いろ
いろな道具類は急激に発達していますね。しばらく雑貨屋などに行かないと、
とても便利なものが急に現われるという感じで。

>縦書きだと、ふだん目が慣れているからでしょうが、印象がさらに
>強くなるように思うのですが、縦書きで読ませていただけたら、なおうれしい

いずれ、『サラの野原の部屋』は自分のプリンタで縦で印字してコピーか軽印刷
でもしようかな。






原稿整理 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月26日(土)22時29分48秒

博道ちゃん、僕もいま換気をしたとこです。冷たい風が入ってきます。

>『ブル赤』読んでくれてありがとー(^^)[初めて読んだりして…]

ほかのも全部読んでるから心配しないでね。用賀にはたまに用があって行きます。
これで目次3回分ぐらいたまったかな。あまり、ひとつのページの表示が長いと読み
にくいから、プロローグでひとつ……という具合にします。
つまりはいままでのように、ここに書き込んでいけば大丈夫です。(^^)






作者のことば(^^) 投稿者:山本博道
 投稿日:02月26日(土)21時57分01秒

ふぅーッ。
部屋の換気するネ(タバコ)。
んで、風呂入ってくるネ(次の一手を思案)。
今日はいいとこなさそーだから、寝ちゃうかなって
言わないでね、高木さんたちぃ(^^)。
とっとくの、いいとこは。
つまんねぇなぁって、飛ばさないでネ。
ほら、ビデオとかバァーッて送って、いいとこだけ観るみたいに。
虚無主義「亮一」の経緯を理解してネ。
なぜ、彼がこれから出てくるように、女に対するのか。

もーどん位、書いたんだろ? 400字詰めで。






愛はまぼろし/第17回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月26日(土)21時47分47秒

数々の恐怖。数々の衝撃。数々の戦慄。そうした前では彼のスチール
写真にはおのずと限界があった。亮一は世間から忘れられた。

たまに母親から電話が入る。お袋ともずいぶん会っていないが、声
だけ聞くと母も老けたと亮一は思う。そして子どもの頃に遊んだ砧
公園や馬事公苑が思い浮かんでくる。弦巻中学の生徒だった頃は
中央図書館や郷土資料館にもよく行ったものだ。あの頃の俺は、学
校の成績も良かったし、親にも逆らわなかったなと、亮一は遠い眼
で思う。貸しスタジオでその日最後の1カットを撮り終え、亮一はス
ポンサーの若い営業マンが、撮影後は処分してくれて結構ですと言
って置いて帰った缶ビールのプルトップを引いた。温い液体が喉を
流れて行く。その缶を12個、ピラミッドのように積み重ねて撮った
後だった。もう一缶、亮一は飲んだ。そして、カメラ、ストロボ、三脚
脚立、フィルム、スクリーン、トレペなどを片付け、剥き出しの電源
スイッチを切りコンクリートの打ちっぱなしの地下のスタジオを
出た。写真といえば、あの雨の夜の女はどうしただろう…。ふと、そ
んなことを思った。酔いも手伝って、亮一の足は夜の街のネオンに
向いて行く。






愛はまぼろし/第16回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月26日(土)21時20分31秒

押さえで一枚、もう一枚と撮った。手が震える。俺は脇を固めて、手
ブレを抑え、サイの尻が消えて行く茂みも撮った。テントに戻って
警察に連絡したのはそれからだった。亮一はその子がヘリで運ばれ
る絵を、周囲でなびく尖った草の葉をヘリをあおるようにして撮り
続けた。これがジャーナリズムだ。これがいのちというものだ。亮一
はそれを伝えることが報道カメラマンとしての使命であり義務だ
と思った。平和な日本ではこんなことは起こらない。だが、真の生命
はこうしていつも危機に晒されているのだ。平和ボケのわが祖国の
人々よ。帰国当日、亮一は空港のロビーで送りに来た現地のテレビ
局の担当者からその女の子の死を知らされた。あと15分でも知ら
せが早ければ、一命は取り留めただろうということだった。しかし、
彼女の死には意義がある。訴える力がある。いや、そういう死もあっ
ていい。亮一は心の中で繰り返した。
報道写真家として衝撃的なデビューを果たしたものの、亮一には
その大賞『茂みの中の恐怖』を超える写真は撮れなかった。その後
も国内外で事故や災害に駆り出され、異常な絵を追い求めて撮り
まくったが、リアルタイムで家庭に流される数々の映像。






愛はまぼろし/第15回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月26日(土)20時55分09秒

もちろん、T氏の口添えがあってのことだ。それは貧困と飢餓とい
うお定まりの映像を名のあるルボライターの眼を通して視聴者に
訴えかけるという、これもお定まりの企画だったが、視聴率は悪く
なかった。そして彼がその仕事の合間に撮って「日本写真大賞」に応
募した5枚の組写真が栄光の大賞に輝いたのだった。だが、それは全
くの偶然とも言えるものだった。四、五歳と思われる一人の女の子
が、用足しでもしていたのか、彼らのキャンプのテント近くの茂み
から出て来たのだ。カメラを手にしていた彼は、たまたまその女の
子に向けてシャッターを切った。その時である。女の子を追うよう
にその茂みから一頭のサイが躍り出て、角の先で彼女を一撃した。
 女の子はその場に倒れ、右肩からは血が出ていた。そして亮一の
方を見て、手を伸ばして何か叫んだのだった。亮一はそこで二枚目
のシャッターを切った。迫真の演技という言葉があるが、どんなこ
とも本物には及ばない。ファインダーを覗きながら亮一は感動して
いた。サイが角で刺した瞬間の絵からは、少しだけ時間のズレはあ
ったが、俺はシャッター・チャンスを逃していない。血を浴びて茂
みに帰っていくサイも撮った。






愛はまぼろし/第14回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月26日(土)20時37分42秒

六年前に結婚したその亮二も、気立てのいい女との間に一男一女を
設けて幸せな32歳の跡取りとして平凡な暮らしを営んでいる。そ
れに較べて俺はいつまでこんなヤクザ稼業に身を窶しているんだ
ろうと亮一は思う。フォト・ジャーナリストの夢は何処へ行っちま
ったんだ。タブロイドのヌード写真と、貸しスタジオでのスチール
とスナック菓子やらインスタント・ラーメンのパッケージ、コンド
ームの箱などを自分で並べてレイアウトして、そんなものを撮るた
めに俺はカメラマンになったんじゃない。亮一は自分があの東南ア
ジアで見た一人の少女になって、血まみれになっているのではな
いかと思った。あんな栄光は俺にはない方がよかった。あんなもの
さえなかったら、俺は一介の写真屋で何の不満もなかったのではな
いか。それは彼が写真週刊誌の専属カメラマンだった29歳の夏だ
から、今からもう6年前になる。それまで彼が助手を務めていた報
道カメラマンのT氏が行く予定だった東南アジアのある国に、T
氏が急病で行けなくなり、その代役として彼が『東南アジアは、い
ま』という東亜テレビの報道番組のチーフ・カメラマンに抜擢され
たのだった。






愛はまぼろし/第13回 投稿者:山本博道
 投稿日:02月26日(土)20時12分03秒

足立亮一の実家は東急新玉川線の用賀駅近くで生花店を営んでい
る。創業は明治初期というから、もう百年以上もこの土地に根を張
って暮らしている。当時の「足立花店」も「フローリストADACHI」と
はなっているが、その佇まいは店の裏に回れば、当時の面影を少し
は残していて、亮一の曾祖父がはじめた幾種類かの百合と蘭の古ぼ
けたハウスがある。この店は亮一の父親で四代目になる。老舗でも
あり、得意先も多く、何度かの不況も家族力を合わせて乗り切って
きた。彼、亮一は二人兄弟の長男だから、両親は当然のように亮一が
家業を継ぐものと考えていた。しかし、彼は少年のころからの夢で
もあった写真家を目ざして、高校卒業と同時に専門学校に入り、卒
業後は、ある高名な報道カメラマンの助手として7年、その後は写
真週刊誌の専属カメラマンで3年、その後独立した。彼は専門学校
へも両親から援助を受けず、昼間は学校、夜はホストクラブのホス
トとして学費と生活費を捻出した。そして35歳になる現在まで、同
じ都内に住んでいながら、実家に足を向けたのは祖父母の葬儀と
三歳違いの弟亮二の結婚式の時の三回しかなかった。






こんばんわ。 投稿者:山本博道
 投稿日:02月26日(土)19時34分38秒

;!dk1283##fjguroiu? なーに?それ。
電子メールの紙幅の制限だぁ?(*o*)
ふつーのA4で読めるよ。ワープロの画面と一緒。
原稿、メールで送るの? ぼくが鱗造ちゃんに。
何だってぇ? まあ、いいや(^^)
『ブル赤』読んでくれてありがとー(^^)[初めて読んだりして…]
メールの画面で打ったやつって、ここに反映させては送信できな
いんでしょ? これって、この[文字入力]の画面でしか、打てない
んでしょ? あのネ、まあ、いいや(^^) 天は二物を與へず。一物
はある(^^)。そろそろ、戯作のプロットでも練るかな。主人公のネ
実家は東急新玉川線の用賀駅の近くなんだ(^^)。だから、もしかし
たら鱗造ちゃんも会ってるかもネ。えへッ。






こんにちは。 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月26日(土)17時21分52秒

>電子メール? やれるよ。メールアドレス知ってるっしょ?

博道ちゃん。
えーと、電子メールでも紙幅の制限があるの? 電子メールで正式テキスト
を送ってもらえばいいけれど、まだ、電子メール初心者かもしれないから、
まあ、いいや。(^^)
ちゃんとしたファイルをアップロードしたうえで、それをチェックしてもら
おうかな。
今日、起きぬけに『ブルゴーニュの赤』の一篇を味読しました。


執拗で、ごめんなさいネ! 投稿者:山本博道
 投稿日:02月26日(土)11時55分49秒

色々と考えつつ眠りに就いたわけですが、詩を書く者は(表現を生
きざまとする者は)言葉がいのちであり、同時に命取りとなること
を再確認すべきとぼく自身に対しても思った次第です。ぼくは、お
のれの生き方として去る者は追わずを信条にしています。あと、欠
席裁判はしない。死者に鞭打つことは必要とあらばします。何を言
ってるのかというと、何方であろうと議論は買いますが、そのため
には、少しでもぼくのことを分かって戴いた方が、ぼくとの議論を
望む方にとってはいいのではないか、と思ってのことです。まぁ、ぼ
くの詩集でもお読み戴ければ、それに越したことはありませんが、
そんな偉そうなことは微塵も思っていませんから。
さて、それはそれ。
おはようございます! 鱗造ちゃん。今まで家事手伝いをしていて、
やっと自分の時間になりました。まぁ、妻の両親が病床にあって、大
変なわけです、もう一年近くも、じつは。そんなことは、ここで
はどーでもいいのだけれど、寒いねぇ、今日は。やぁ、高木さ
ん、深酒は身体に毒ですよ。お若いなぁ(^^)。ぼくなんか、ダメで
すね、もう。それに、飲むと、ほら(^^)、ねッ! 誰でもよくなっちう。



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