編集室/雑記帳(2000.2.3〜2.4)
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編集室/雑記帳(2000.2.3〜2.4)


山岡くん、 投稿者:田中庸介
 投稿日:02月04日(金)21時30分59秒

そんなネガティブな言葉尻のところにいちいち反応してちゃだめですよ。
そう、いろいろと真摯にご説明したので、思潮社の皆様はかなりわかってくれてきていて、
こないだの「詩人の生き方について」を書いた時の依頼状だって、
「現代詩手帖編集部を叱咤するように書いてください」とかって
書いてあったもん。たしかに、何かをシノギとして会社が成立していれば
経営上は問題はないのですが、企業が文化を燃え立たせるためには、やっぱり
そういう「リスキーな、いい試み」というものがぜひ必要で、それは
「どうせダメ」とかって言ってちゃ絶対できないものなの。
そうでないと、この業界は縮小再生産になってしまいます。
ぼくらの「黄金の投稿欄」がそんな「どうせダメ」的ムードの現代詩手帖で
唯一輝いていたのは、場を盛り上げることの大切さをぼくらが共有していたから
ですよね、枡野さん。
五年くらい前に、樋口良澄さんと小田久郎さんと小田康之さんと打ち合わせをしたときに、
「今の詩集の平均実売部数って、50部くらいらしいですよ」
と三人が暗い顔をして言っておられたのが印象に残っています。
こりゃ何とかしてあげなきゃとそのとき思いました。
だからわれわれの詩集が、まずは思潮社の皆様に何らかの前向きな夢を持たせるような
ものであったらいいと願います。そして思潮社は今年、やる、と思いますし、
「ぬりかべ」問題を自分から解決しようと努力しています。
どんどん期待しましょう。そして、何をやってほしいのか具体的に提案しましょう。
たぶん、一番必要なことは、ここにおいてどんなことを企画したらいいのかという
現実的なアイディアなのですから。

>松崎さん
先日はどうも。思潮社さんとは違った観点で、そのうち何か御一緒にできたらいいですね。
またご相談しましょう。






話がそれるようですが新風舎は、 投稿者:枡野浩一
 投稿日:02月04日(金)17時50分12秒

ブランドイメージづくりがまだまだ下手だと思います。
リスキーな、いい試みをたくさんやってるのに。もったいない。


http://talk.to/mass-no





60万 投稿者:関ofuji
 投稿日:02月04日(金)15時35分28秒

>新風社さん、宮田さん、どうぞよろしく。
>須永さん。ミッドナイトプレス60万はすごく魅力的ですね。
わたしが頼んでもそれぐらいでやってもらえるかしら。
「わたしにできること」の装丁はシンプルで柔らかさがあってよかったです。
それにしても須永さんのいうとおり、一般人にとって60万でもたいへんです。
それに、贈呈分は郵送料がかかります。
300部×240円としていくら?
そのうえコンスタントに詩誌を発行すればその費用です。
これを何年も続けている詩人の方々はえらい。
詩人は金持ちというより、生活者としてはまっとうに働いて
爪に火をともしてお金を貯めている人が多いのではないでしょうか。
詩もおのずとそういう生活者の詩が多くなるわけです。
小さいんですよね。柄が。
詩のサイトはこれから紙の詩誌の役割を負っていくのでしょうね。
わたしは詩を読んで気に入ったらそのページに10円という
投げ銭システムが普及すればいいなと思っています。
本の姿というのはわたしの年代ではとても魅力的ですが、
これからはどうなるかわかりません。
わたしはどんな形であれ詩が人々に流通する社会がすてきと思うのです。

>清水さん。
思潮社の売り分100部のうち20部ぐらいはうちの親が
買ってくれたようです。前に実家に帰ったときに母の文机の下に
10冊積んであるのを発見したのでほくほくして持ちかえりました。
わたしの持分はすっかりなくなっていたので。ポエケットでそれを2冊
売りました。買ってくださった方ありがとう。
でも詩集の出版社は、6年もたった詩集でも捨てないで在庫としておいて
くれているのはありがたいですね。
普通の出版社では考えられないことでしょう。
注文して買いましたといってくださる方が何人かいらっしゃいます。
賞はあざみで出した詩集で、推薦も受けずに応募してもらいました。
詩人の知り合いもあまりなく、作品はほとんど未発表でした。
ラッキーといえばそれまでですが、
無名でもちゃんと読んでもらえて評価してもらえるのだとそのとき分かりました。
有名出版社なら読んでもらう率も候補にあがる確率はたかくなるのでしょうが、
とにかく、よい詩を書くことでしょうね。(よい詩ってなに?)
まあ、その上でのお金の話なのですが、
自分の書いている詩がよい文化を形成するとはちょっと思えないから、
役所からお金を出させるという発想はありませんでしたが、
パトロンをつかまえるのなら民間の金持ちの方がいいかも。
だれかその魅力で実業家の財布からお金を出させる才能のある人はいないの。
小田さんだって実業家じゃないから自費出版請負しなくちゃならなくなるのでしょう。
さて、こんなことを書いていないで現実問題として詩集代を稼がなければ!
仕事、仕事。


http://home2.highway.ne.jp/ofuji/





小声で。 投稿者:山岡 広幸
 投稿日:02月04日(金)14時47分08秒

松崎さん、先日の枡野さんのイベントでは失礼しました。
実は新風舎の出版賞に応募したことがあります。
あの賞のポイントは、出版ができる、そこでしょう。
「ノンフィクション部門」でひとくくりになっているところも、
気に入っていたりします。
詩だからって特別扱いされたくないですもの。

生意気を言わせていただけば、
自費出版請負の会社でもいいと思いますよ。
たとえそれが名のしれた会社であっても。
でもそれしか方法がなくなってしまっているなら、
問題だと思いますね。


http://home9.highway.ne.jp/hiroy/





突然すみません。 投稿者:T.M
 投稿日:02月04日(金)12時55分00秒

清水鱗造様、はじめまして。
ぺんてかから跳んできてしまったT.Mと申します。
「100万円問題」に関心がありまして。

松崎義行様。
私、昨年新風舎より「宮田直」として本名で「共同出版」
させていただいたのですけど
編集者さんとのやりとりで新風舎さんは企業として
本の売上収益で事業を成り立たせているのか
それとも
著者からの「出版費用」で成り立たせているのかと
企業秘密に類する点に対して疑問を抱いたのです。
新風舎さんでは独自の賞の企画をお持ちで
確か最優秀者には新風舎さんで責任を持って
本を出版するという話をききましたが
事業方針として
「書き手を発掘、発見する」ということや
「書き手を育てる」というのをやはり主眼にある
のでしょうか。もちろんビジネスとして
それは経営方針とはならないかもしれませんが
経営哲学としてやはりお持ちなのでしょうか。

なにか失礼なことをおききしているようで
赤面してしまいますが。

どうするのが悪いとは私は考えておらず
自費出版請負で事業を成り立たせていたとしても
その需要がある以上、悪いはずもありませんし
淘汰されることもないと思います。
ただ、書き手と出版社の信頼関係のことを考えた場合
今以上に明確にしなければならない点があるかと
思ったりします。詩のサイドの
エンターテイメントの意識の欠如も含めて
話し合うべき点があるのかとも。
TILLについても同じことを感じたりするのですが。




突然乱入してすみませんでした。


http://www2.hotweb.or.jp/michaux/mmm/





田中庸介さんは、そういうことを思潮社に、すでにどんどん言ってる 投稿者:枡野浩一
 投稿日:02月04日(金)12時03分09秒

ようでしたよ、清水さん。
そして思潮社も自分でわかってる……そのことがより問題なのでしょう。

すべての出版社は、
これからどんどん「自費出版うけおい業者」に近づいていく気がします。
河出書房新社は印税を普通より少なくしか払わないそうだし。

ところで私のホームページの「枡野浩一の近況」のところで紹介した、
インターネット「印税」生活という本は、
詩人の皆さんの作品発表のためにも参考になることが書いてあるかもしれません。

あと、本を自費でつくるなら、
CDロムのほうが安くつくれると思いますが、
本という物体の魅力は捨てがたいのでしょうね。






はじめまして。枡野さんに導かれて 投稿者: 松崎義行
 投稿日:02月04日(金)11時43分50秒

やってきました。
僕は、TILLという雑誌をやっている者です。新風舎という出版社もやっています。
かつて、 TILLは、ねじめ正一さんに、「下司」な雑誌と評価され、
現在、この欄で枡野さんに「下世話」と、言われています。
僕は、詩には、エンターテイメントが足りないのではないか、とか、
才能をつなぎ止めたり育てたりする装置が、とても頼りないのではないかと
思っています。かつて、詩にバブルがあったとすれば、その後、詩の価値が低下し、
売れなくなっているのではないかと思います。
田中さんの発言には共感します。
100万円問題論争も、愛が感じられて、本欄のみなさまに、心から敬意を表します。
僕の出版社は大手取り次ぎすべてと取り引きしていますが、
新参者のため、委託配本をすると、
手数料を差し引いた正味が60%を切ってしまいます。
しかも入金は、7ヶ月後。
大変な参入障壁があります。
大手や古いところは、71%、 翌月精算というところが基準。
と考えると、 この差を埋めるまでには、相当の努力が必要です。
思潮社や書肆山田は、条件の良さを生かして、もっと先陣を切って詩の世界を育てていって
ほしいと思います。まあ、とてもよくやっていると思うのですが。
谷川俊太郎さんにインタビューしたのですが、
詩のジャーナリズムに対する絶望は、相当なものでした。
「詩に私生活を侵食された」と。
その心は、現状に対する、虚脱感のように感じられました。
ディーバとの活動は、コミュニケーション不全となっている
詩の送り手と、受け手の関係を、メディアに頼らず、
インディペンデントで取り戻そうとしているようでした。
インディペンデントに活動する人のパワーを束ねて伝える、
僕は自分の役割と認識して、やっていきたいと思います。
TILL、ご覧になったら、是非ご意見をお聞かせください。¥940
(宣伝)






100万円問題。 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月04日(金)11時01分14秒

>国家というとたぶん詩人の皆様はすぐ「体制」とか「権力」とか「統制」とか
>「検閲」とかいう発想に結びついてしまうというのはよくわかるけど、
>そういうことをやらせないで金だけ出させて自分の好きなようにやるということも、
>相当ねばり強くやればできないことはない。

そういうことじゃなくてね、不透明性が困るんですよ。だいたい、帳簿閲覧できな
いじゃない、これは普通の民間でも閲覧できないに決まってるけど、国家だとヒモ
がつきすぎるんですよ。つまり国家は、こちら(国民)が形成しているもので、こ
ちらが動かしていくというというところの透明性が非常に重要なんですよ。あたり
まえですが。国家が嫌いなんて言ってられない。こちらが国家を作ってるんですか
ら。

>あ、国家がお嫌いなら、もちろん実業家のパトロネージュでもいいです。
>実業家としてこちらの皆様がターゲットにしているのが小田久郎さんだと考えましょう。
>「C」クラスのマイナー文化を育てるためには、そういう「パトロン路線」というものが
>一つ可能である、という可能性を言ってみました。

庸介さんね、メールに書いてくださったような「思潮社が自費出版請け負い会社に成
り下がっているという点にあると思います。」
というような、批判的内容のことを、
小田さんにどんどん言ったほうがいいんですよ。
あるいはこういうところで、言っちゃったほうがいいんですよ。
だいたいね、批判されて、「この野郎」なんていうブランドは、ひとりの詩人を大事
にしてないんですよ。だから、たぶん、「この野郎」とか、言わないにちがいない、
と思いますよ。それくらい太っ腹じゃないと、ダメです。
パトロネージュは、どこでもいいけどね。その可能性を庸介さんは、実践しているの
だから偉いと思います。
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100万円問題が議論されている、ほかのサイトのBBS
裏ぺんてか
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このBBSの100万円問題の記事があるノート
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編集室/雑記帳(2000.1.25〜2.1)






ふふふ、 投稿者:田中庸介
 投稿日:02月04日(金)10時34分55秒

国家というとたぶん詩人の皆様はすぐ「体制」とか「権力」とか「統制」とか
「検閲」とかいう発想に結びついてしまうというのはよくわかるけど、
そういうことをやらせないで金だけ出させて自分の好きなようにやるということも、
相当ねばり強くやればできないことはない。それには、中央官庁の皆様を
説明し倒せばいいわけですね。これは完全な政治力の問題で、無名の新人が
やってできることではないけど、たぶん有名の詩人とか政治力のある評論家が
やればできるのです。無名の新人の詩集でも、それがとてもよい文化を形成するために
ものすごく大切なもので、ただ金銭的な面でそれが出版できないことが、
日本の文学の発展にたいへんに障害を及ぼしているので、ぜひ100万円出してほしい、
ということをねばり強く交渉すれば、かなり何とかはなると思いますよ。
すべての大学の研究者の皆様はそうやってなんらかの名目で金を取ってきているけど、
そんなにろくでもないことにはなっていないと思いますよ。
まあその「ものすごく大切」を評価する委員会の人選とか、あらゆる細部で
そんなことを実現させるためには、また果てしなくもめそうだけどね。
あ、国家がお嫌いなら、もちろん実業家のパトロネージュでもいいです。
実業家としてこちらの皆様がターゲットにしているのが小田久郎さんだと考えましょう。
「C」クラスのマイナー文化を育てるためには、そういう「パトロン路線」というものが
一つ可能である、という可能性を言ってみました。

もちろんまだ「有名エスタブリッシュ詩人」になっていない田中庸介チームが文部省に
交渉に出かけても、結果が出るまで20-30年くらいはかかると思うので、とりあえず
われわれはそういう路線は選択していないけど、この発言で読み取ってほしい
いちばん重要な意味は、現代詩の100万円問題を単純に金銭面の問題に
ひきずり下ろしているということなのです。

そこで落ちちゃう問題は何か、と思うと、一つは詩のパブリシティの問題ですね。
それについてもウェブ化することで、10年前よりはかなり展望が開けてきていると思う。
あるいは、そのほかにも解決すべきコンポーネントは含まれているのでしょうか。



参考になれば 投稿者:須永紀子
 投稿日:02月04日(金)10時19分50秒

清水さんのご質問の答え
midnight pressで拙詩集62ページ300部を60万で作ってもらいました。
原稿はテキストファイルで渡しました。
そのあとにmpから雑誌が出て、たくさん宣伝していただき、わりと反響が
あったので、ラッキーだったと思います。
昔お世話になった岡田さんと山本さんにぜひ作ってもらいたかったんです。
そろそろ次の詩集をと思うけど、経済的に無理ですね。
60万だって、売れない詩人にはとても捻出できません。

わたしは詩集にお金をかけたくない派で、その分生きているうちに
できるだけ多く出したい。
アメリカなんかでは、何十年かごとに自選詩集出すということがよくある
ようだけど、そのときに立派な装丁の詩集にすればいいのだし。
いい詩集には必ず評価や賞はついてくるんだから、とにかくすばらしい
詩を書くことですよね。

辻さんのことば、詩を書くうえでほんとうに支えになっていたんだと最近
気づきました。
真の詩人の姿勢を見せてくれていたと思います。

あがた森魚さんとQantaさん、どんなことを話したのでしょうか?
あがたさんには、がんばってもらいたいですよねえ。
清水さん、録音悪くてごめんなさい。
言ってくださればいつでも入れなおします。






100万円問題 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月04日(金)10時17分10秒

あ、長尾さんの記事で見落としてた。書肆山田の本は書店が買い取るわけ
ですね。返品ありうるのによく買い取るなぁ、書店が。
その場合、ずっと売れなかったら、捨てるんでしょうね。
あと、僕が書いたので、読書人分の本は段ボール24箱の間違いでした。
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100万円問題 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月04日(金)08時05分50秒

おはようございます。きのうの夜中、豆まきをしました。
Qantaは着メロを入力しながらですけどね(^^)。

今日は朝、ちょっと細部にこだわってみます。
僕のようなところにも詩集、詩誌が送られてきて、これが山のように
なっている。僕は文庫本や小説四六判は捨てられても、どうも、身銭
きった詩集、詩誌は捨てられない。で、どうするか。とっとく(^^)。
富沢智さんの「まほろば」に送る、とか、タダで古本屋さんに処分(捨
てるでしょう)するか、の手もあるけど、「まほろば」は重複した本は
やはり捨てるのだろうか、とか余計なことを考えてしまう。

「現代詩手帖」をやっている思潮社は、どうしているのだろうか。捨て
るのでしょうか。手帖で時評をやっていたときに、毎月段ボールで詩集
が送られてきた。これが12箱、たまるのだろうと思って最初、ウチに送
られてきたのと重複した本は図書館に寄贈した。そうしたら、資料にす
るから、着払いで送り返してほしい、ということでその11箱は着払いで
送り返した。
「読書人」で時評をやったときには、やはり毎月1箱送ってきて、それは
全部いただけるということで、重複したものを図書館に寄贈した。これは
2年だから12箱分の段ボール。すべてとってあります。

ところで、関さんの買取り以外の分100部はどこへいくんでしょう。
営業努力はしてないかもしれないけど、顔写真入りのプレゼンテーション
があるから、一般読者は書店から注文できるでしょう。だからポツポツと
売れているんですよ。100部×2000円として7がけで、14万円かな、全部が
売れればこれはまあ、プレゼンテーション費ですね。
ぱろうるは前にも書いたように、思潮社がやっているようなものだから、
それに古物商の免許ももっているようだから、贈呈本(かさばる!)は売
ってしまえばいいんじゃないかな。僕も年末の古書市で、北川透の白地社
から出た本を半額で買いました。ぱろうるで古書市、それも他の版元の本。
(まさか自社の本を古書として売れないよね、再販制度あるし)
これはどこから出てきたのか、贈呈本でしょ。でも違法でもなんでもなく
それは立派なことですよ、リサイクルの思想。
しかし、古本屋さんで、僕の詩集が元定価の倍ぐらいの値段で売ってて、
買った人も知っている。詩集を求めてる人はたくさんいる。捨てなきゃ、
誰かが読むだろう、という発想は正しいと思いますね。
だから、狭い本屋さんで、膨大な点数が出版される書籍のなかで、詩集は
「注文する」ということがなければ、さばけないと思います。詩集は注文
で買うものと思ったほうがいいし、思潮社のプレゼンテーション自費出版
詩集はそうして売れていると思う。
あと、書肆山田の鈴木一民さんが言ってたけど、「なんとか賞」(いろん
な賞ふくむ)をとったら、200部売れる、ということでしたね。増刷する
のでしょうかね。

>文部省とか文化団体から文化助成金をとってくるという方法もありますね。

これは、普通の出版社でも、古典的でいい本なら、句集でも出しているの
を知ってますよ。でも、無名の新人となると、出ないよね。あたりまえだ
けど。
でも、国家に頼っちゃ、ろくなことないよ、確実に。
だから、庸介さんの、民間の思潮社に、一銭も払わずに作ってもらう、って
前例が大事なわけ。


【長尾さんの話へのレスポンス】
そのとおりだと思う。そういう姿勢でやっているよ、僕だって。
書店は売れなかった本は、委託だったら、版元に返品しますよ。それを版元は
倉庫にとっておく。あるいは捨てる。

【hiroshiさんの話へのレスポンス】
僕もここ数日、興奮してるけど(^^)。

>新ブランドという発想は面白いですね。>清水さん出版と同時に
>ブッククラブみたいなものを作って詩集販売もするとか、
>その宣伝のためのページを作って
>なぜこの本を売るのか、関係者のコメントを編集するとか。
>まあ、仲良しクラブになったり、上下関係の結社になりがちとか
>難しいこともあるとは思いますが。

前向きというか、100万円問題打開の道ですね。
これも方向として、あり、として、僕は現状をもう少し細部にこだわって調べ
てみます。
まあ、普通いそがしいから、100万円はらって、よろしくというのも
楽なんだけどね。いかにして、この方向が実現できるかってことですね。

裏ぺんてか
Bed&Breakfast






書肆山田 投稿者:長尾高弘
 投稿日:02月04日(金)00時19分06秒

『縁起でもない』は120万ぐらいかかっています。
ページ数も150だから多いですけどね。
私も、安く作ろう派でした、『イギリス観光旅行』まではね。
転向した理由は、色々あります。面倒だから全部は言いませんけど、
縁あって書肆山田のホームページを作るようになって、
鈴木一民さん、大泉文世さんと色々話す機会もできて、
この人たちに本を作ってもらいたいと思いました。
書肆山田は大手だと言われていますが、この2人でやっていて、
会社組織でさえないのですよ。ロングテールは株式会社だけど(笑)。
ある意味では、詩集で100万円使う詩人よりも苦労している(らしい)。
営業的には、万単位で売れないものは、自費出版できるだけでシアワセだと
思うべきなんじゃないかしらん。そんなに大したことやっているわけじゃ
ないんだから。数百部しか売れないものを企画で出してくれなんてさ、
(詩で数百部も売ったらすごいけど)虫がいい話なんじゃないかなぁ。
でも逆に言えば、小説で食べている作家や絵を書いて食べている画家と
違って、食べるためにやらないで済む、家族から見ればたちの悪い道楽だ
けれども、自分がどこまで純粋に棒のようなものになれるかということに
賭けられるわけだから、詩というのはいいと思いますよ。
書肆山田で本を出して驚いたのは、詩集を売っているような本屋には、
新刊時には一通り並んでいたということですね。たった50部しか渡して
いないのに。さすがに1年ほどで見かけなくなりましたが、書肆山田は
買取りなんですよね。書店は、売れなかった本、どう処分したんだろう(笑)。
そこが思潮社との違いかしらん。思潮社の本はなかなか見付からないもの。
でも、書店に置いてないというのは、出版社の責任だけではないわけで、
数冊だけ置いてある詩文庫のなかでどれが置いてあるのかというのを見ると、
なるほどなぁと思いますよ。
話がそれましたけれども、亡くなった辻征夫さんが、midnight pressの連載
インタビューで、「詩人は一生無名でいいと思っていないと書く物が濁る」
というようなことを言っていますが、肝腎なのはそういうことなんじゃないかな。
100万で詩集作っても、10万で詩集作っても、HPでの発表だけで済ますにしても、
徒労に終わるのに変わりはないんだから、それでも詩を書きたいかどうかが
問題なんじゃないかと思います。ほどほどにしておかないと身体がもちません
けどね。






私もちょこっと 投稿者:hiroshi
 投稿日:02月03日(木)23時52分49秒

戸川純さん、上野さんとくればハルメンズ、ヤプーズ!
という雑談はおいておいて。

忘れないうちに>青木さん
アートランドはデザイン事務所です。知り合いのデザイナーが昔いて
(彼は辞めてそば打ち職人になってしまいましたが)聞いたところによると
そこの社長が財部鳥子さんらと親しくて、時折詩集や歴史の本など出して
(記憶違いでなければ)地方小で本を流通させているようです。
デザイン事務所が本気で気持ち込めてやれば本作りはそれはうまくいく
と思います。

新ブランドという発想は面白いですね。>清水さん
出版と同時にブッククラブみたいなものを作って
詩集販売もするとか、その宣伝のためのページを作って
なぜこの本を売るのか、関係者のコメントを編集するとか。

まあ、仲良しクラブになったり、上下関係の結社になりがちとか
難しいこともあるとは思いますが。

明日より1週間ばかりネットから姿を消すので何を言われても
答えられません。「100万円」前向きな展開があるといいですね。

ちなみに私の勤務する某朝日出版社でも自費部門があり、そこで
詩集を出すと(語学書を出している関係で退官間際の大学の先生からの依頼が
結構あるようです)、1000部で200万くらいのようです
(数字に責任は持てませんが)。配本は東京堂や信山社で1冊くらいの
感じ。自費出版をビジネスとして考えるとこうなるという面が
あるということです。ご参考まで。


http://www.catnet.ne.jp/f451





うーん、 投稿者:田中庸介
 投稿日:02月03日(木)23時28分41秒

こちらの皆様の割り切り方は立派だし、清水さんは割り切っていないけれど
たぶん思潮社の皆様もそうやって割り切っているのです。

100万円、自分で出すのがいやで、読者の皆様から出してもらうこともできないのなら、
これは枡野さんの方向とはまったく違うけれども、次の手段としては、
文部省とか文化団体から文化助成金をとってくるという方法もありますね。
そういうやり方でしか成立しない文化というのも世の中にはあるし、
それはそれとしてちゃんと国際競争力を持って認められているのです。
科研費というのはそういう仕組みです。高岡くんも取ってるよね。

100万円というのは国家予算に比べたらとてもとても小さな数字です。
まあ皆様の税金ですけど、そこからの集金システムを作り上げる、という発想で
ものを考えた人というのは過去にはいなかったのでしょうか。
たぶん、このご時世に企業メセナは難しいと思うけど、
中央官庁にお勤めの皆様はいかがですか。
現行の制度内で申請して獲得できるものはないのでしょうか。
ご存じの方、教えてください。

たとえば、早稲田の文芸専修というのは、大学の枠組みのなかに現代詩を
押し込むことに成功したユニークな例ですが、そこでは現代詩の詩集を製作すれば
卒業論文になるわけです。つまり、詩集は一種の研究論文の扱いなので、
詩集に対して科学研究費を獲得するのもあながち間違った発想では
ないかもしれません。東大駒場の表象文化論も、研究費でやくざ映画かなにかの
フィルムを大量に購入して話題になったそうですが、そんな芸術系の学科の
仕組みを使うことで、文部省とのコネクションはいずれ可能かもしれませんね。
特に芸術系の大学に研究室をお持ちの詩人の皆様、いかがでしょう。






そうですね>関さん 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月03日(木)23時11分48秒

関さんがなんか言うと、ほっとします。

そういえば、須永さんQantaが、あがた森魚と少ししゃべったって。
あと、楽屋が上野耕路(作曲家、ピアニスト?)と一緒だったので
話が盛りあがったって。(Qantaは戸川純のファンなんで。ほとんど
の曲を作ったのが上野って人だって)






あのね 投稿者:関ofuji
 投稿日:02月03日(木)23時05分30秒

企画出版、やってくれるのなら当然やってもらうでしょ。
でも田中庸介チームだって売れなければ買わなければならないのだから
企画出版ではないというのは今までの話でわかったのですよね。
だから、その次の段階に話は行きます。






100万円問題 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月03日(木)22時43分22秒

やっぱり、もうひとつ書こう。

自費出版するときにね、やはり、その内実はよく知っておいてほうがいいと
思うんですよ。その意味で、ほんとうはブランド志向ではダメなんだ、とい
うこともよくわかって自分で作るなりする。ただし、そんなことは関係なく
どんなとこでもいいから(ブランド含む)、企画出版(印税も払ってくれる)をやっ
てくれるんなら、やってもらおう、ということです。(下の☆ブランドは
つまり非ブランドなるものですね、ついブランドと書いてしまいましたが)
この場合、マクロ的視点から見る必要はない。自分の立場から、つっこんで
いけばいいわけです。

裏ぺんてか
Bed&Breakfast






100万円問題 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月03日(木)22時20分44秒

あ、眠くなっちゃった。
アビラ オンケン ソワカ

まあ、デザインもいい、きれいで質のいい詩集は100万×0.6=60万
ぐらいで、原稿を印刷所にもっていけば、作れるってことですよ。
無印良品じゃないけど、たとえば背表紙に「☆」のマークでもひと
つ付けて、営業なども集団で研究するって手もありますね。
これは新しいブランド! になりますよ。100万円問題とは別にも
う一つ。これは夢ですけど。議論されているリンクは当分のあいだ、
いつも張っておくことにします。B&Bはまだ始まっていませんけど。
(^^)

裏ぺんてか
Bed&Breakfast



あすは立春 投稿者:青木栄瞳(代筆:清水鱗造)
 投稿日:02月03日(木)22時07分10秒

●きょうは節分(青木家伝来の歌謡で、節分の支度のときに、イワシ
の頭をガラギッチョの枝に刺し、火にあぶりながら、3回歌います。)
  野を刺す虫の串焼きも
  竿刺す虫の串焼きも
    アビラ オンケン ソワカ
    アビラ オンケン ソワカ
(まもなく啓蟄。田畑を荒らす害虫駆除の節分行事でもあるのでしょう)

●出版のこと、大切な本のこと
 おもいつくままに――
 玉城徹第一歌集(昭和37年、限定出版300部の内NO.258)
「馬の首」後記より「……文学は事業ではないのだ……」
 更科源蔵「熊牛原野」(昭和40年)
 まえがきより「……本当にここで生きようとしたのである。だからこれ
 らの記録はその敗北史である。……」

嵯峨恵子 新詩集「おかえり」、きのう、いただいたばかりです。
 出版社名「アートランド」帯、(清水註:一字不明)、ハードカバー、
 2000円。
亡き、お母さまの介護のことを詩に書かれて、それをまとめられた詩集です。
しばらく前、嵯峨さんより「私もまもなく詩集を出すのですが……版元から
直接……」とありまして、私は、いま、気力、パチパチの彼女のことゆえ、
新詩集のこと、内容やら、出版社名のことなども、イメージ勝手に、からま
せて(清水註:字がちょっと不明)、待っておりました。
「アートランド」とはどこかしら? 強い感情の第一級の詩集でした。

●出版は、まず、作品原稿、そのものの存在、それでしょう。
>ヤリタミサコさま
青木、金欠なので、4回目のパリ。ヴィジュアル詩展、今年も本人、現地には
行かれません。(先日、支倉隆子さんから、格安航空券のお話、いただいたの
ですが。)

>萩原さま、ヤリタさま、皆々さまへ(問い合わせ:青木0426-64-0606)
自由が丘・もみの木画廊、朗読会フェスティバルは5月3日
司会は写真家のミミさん。入場料は、昼夜通しで、1500円(出演者の出版物も
販売されます。おもちください)
昼の部(14-16時)
順…駒田さん、布村さん、ヤリタさん、駿河さん、飯田さん、岡島さん、清水
さん、鈴木さん、一色さん、野村さん。
夜の部(17時-19時)
順…青木、会場さん、浜江さん、長尾さん、日嘉さん、原さん、添田さん、
森原さん、萩原さん、支倉さん。

清水さん、入力ありがとう(註:と清水が書く。これは入れ子、ダブルバイン
ド? 青木さん、パソコン練習、すすんでね!)

【ついでにレスポンス】清水鱗造
今日は我が家でも、これから豆まきをやるでしょう。散った豆は、犬(カオス)
が食べちゃう。






依託していて→委託していて 投稿者:枡野浩一
 投稿日:02月03日(木)21時45分14秒

訂正です。






営業力、 投稿者:枡野浩一
 投稿日:02月03日(木)21時44分08秒

最近は思潮社以外の詩の出版社が、
ある営業代行会社に営業を依託していて、
じつは思潮社より営業ちゃんとやってる、という話もききますね。

なんか、思潮社のこと悪く言うばかりで申しわけないんですが。
個人的にはお世話になってるので。


http://talk.to/mass-no





100万詩集 投稿者:関ofuji
 投稿日:02月03日(木)21時19分32秒

すみませんね。わたしがただで出してくれるの?なんて言ったばかりに。
自分のことしかわからないので自分のことを書くと、
6年前に思潮社で出した詩集は初めあざみ書房に持ち込んだのですが、
藤富さんが思潮社どうですかと言って紹介してくれたのです。
大きいところだから本屋にも出回って少しは売れるのかとわたしも思いました。
うぶでしたね。
でも実際は東京でもぱろうるぐらいにしかおいていなくて、一度営業の人に
尋ねてみたのですが、実績がないと・・・というお返事でした。
100万で400部刷って300は贈呈用に受け取ってあとの100を社で売るということでした。
売れた分は思潮社の取り分ということでそのあと何部売れたかという連絡はありません。
書評などもほとんど反応がありませんでした。(これはわたしの力量不足)
ともかくほかの人に聞いてみると思潮社でなくても100万前後はかかっているようで、
倉田良成さんもミッドナイトプレスで100万といっています。
書し山田はもっと高いらしい。ね、長尾さん。
ふらんす堂もそんなものでしょう。
詩集専門の出版社ではこれでなんとか採算が取れるということなのでしょう。
それにあざみの58万と思潮社の100万では印刷や製本はあきらかに思潮社がきれいでした。
同じページで同じ部数といってもいちがいには言えません。
わたしは見栄えは多少落ちてもいいから安く自分の満足のいくように作りたいです。
ソフトカバーで気楽に持って歩けるようなの。
ぜんぜん思潮社にはこだわっていません。
企画出版なんて夢にも思っていません。
田中庸介さんチームの成功をお祈りいたします。
わたしとしては処女詩集を私家版で出したときから、自分の詩集は自分で
プロデュースする方向できました。
自分がお金を出すんだから作りたいように作るのは当然です。
装丁や編集を出版社に任せてしまうときっと後悔します。
思潮社の詩集も表紙の絵は自分で探したもので、
作品選びはもちろん、ページ割などの編集も自分でやりました。
詩誌作りが楽しめるのも、編集作業の喜びがあるからです。
これはサイト作りでも同様ですね。
ただ営業はどうにもなりません。出版社に頼むのは営業力があるはずだと
思うからなんです。それがそうでもないということがわかれば、
あとは営業も自分でやるしかありません。
出版社に頼むメリットはなくなりというわけです。


http://home2.highway.ne.jp/ofuji/





えーと100万円問題は、 投稿者:枡野浩一
 投稿日:02月03日(木)20時56分22秒

思潮社という会社が、ブランドをあらかじめ意識して創設された……
ということと無縁ではないと思います。

実際には100万円の半分でも、智恵と労力を惜しまなければセンスのいい詩集は
出せると思います。

ただ、「新風舎より思潮社で出したい」という風潮が、
あきらかにある気がするのです。
(新風舎には失敬……)

それは短歌の世界も同じで、
砂子屋書房、雁書館、沖積舎といった
「一流」とされる短歌系出版社から歌集を出さないと、
大きな賞の対象にはまずならないのです。
でも、もちろん自費出版なんですよ。
私のところにも、そういった出版社から、
歌集を出しませんかという案内が来ます。







もうひとつ 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月03日(木)19時56分00秒

議論が広範になるように「B&B」(沢田さんのとこ)のBBS
にリンクしておきます。


http://www65.tcup.com/6509/kiseki.html





100万円問題 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月03日(木)19時34分29秒

萩原さん、どうも。おっしゃられてること、よくわかります。
萩原さんの、書くことの意味についてはまた別に、レスポンスするとして
ここでは、非常にいい機会なので、具体的にいきましょう。

この議論の要諦は、100万円も貯めて、詩集出すことは今できないから、
安く、あるいは企画出版で出してくれないだろうか、ということです。

庸介さんと高岡さんの詩集出版の際、3年ねばり強く交渉すれば、タダ
で思潮社が出してくれるかもしれない、ということが見えてきました。
庸介さん、高岡さん、それに具体的交渉の現場を書いてくれた枡野さん、
ありがとう。
交渉しましょう、出す方。ほかの出版社のことは具体的にあまり書いて
ないし、このBBSの話題から外れるとこもありますので、当座、この問
題を集中的に考えましょう。

これを仮に「100万円問題」と名づけます(^^)

ほかの方の掲示板でも反響が出始めています。まず、樋口えみこ
さんの「ぺんてか」の掲示板です。下のURLです。


http://www.tcup3.com/351/pentek.html





イエローブック 投稿者:萩原健次郎
 投稿日:02月03日(木)17時11分26秒

超マイナーな、あの「イエローブック」の名が登場するとは、
驚きです。桝野さん、あの詩誌のイエローブックのことですね。
あの同人たちは、とても奇妙でストイックでした。
とても緊張感がありました。
合評会のような集まりを池袋の居酒屋でやるんですが、
各地から、居酒屋に集まって、そこで、現地解散して、皆がただ
日帰りしていました。なんとなくあの緊張感は、好きでした。
雑誌上では、バカばっかりやってるみたいでしたが
あの脱臼どころか、骨折したみたいなアンチなエディトリアル・センスは
それ以後の現代詩の詩誌で、いまだお目にかかっていません。

下に書いた、新風社、新風舎でした。
それで、驚いたことに、エイメさんから、即座に電話がかかり
少しお話したあとに、ふと思ったものです。

下のようなことは、「ひっそりと、自分の心の中で抱いておればよいこと」と。
でも、ぼくの生業は、コピーライターなもんで、
詩を書くことをいつも、別時間に閉じこめてやっているものだから
どうしても、整理してしまうんです。(悪癖であると思う)
ほんとは、そういう次元は越えたいとつねづね考えています。
「趣味を前衛化」するとか、
もっと、身の問題でいえば「愛に死す」とか、
あるいは、ぶつぶつと言うとか、
ですが、いまのところ、この次元の接点は、
ぶつぶつリーディングすることで、なにか解消しようとしています。


http://web.kyoto-inet.or.jp/people/hag02041/





なるほど。A、B、Cのそれぞれが、 投稿者:枡野浩一
 投稿日:02月03日(木)16時27分20秒

それぞれの態度を徹底することが大切なのでしょうね。

私自身は不特定多数の読者に本を売るべく専業で文筆業をやっているので、
そういった立場の視点で話しがちになってしまいます。

単に詩の読者としてなら、「イエローブック」も「妃」も愛読していたんですけれど、
どちらかといえば新風舎の「TILL」の下世話さ(!?)に共感してしまいますね。


http://talk.to/mass-no





そういう意味では、 投稿者:萩原健次郎
 投稿日:02月03日(木)14時42分12秒

出版社という私企業のマーケティング的な知見が、いかに希薄であるか
ということも問題になるでしょう。
どんな企業も、商品を扱う場合、一定のリスクがあるわけですから
たとえ、Cの詩人で無名であっても、不特定多数の読者を予測することは可能なのですから。
でも現状では、まったく期待できません。
確かに、ミッドナイトプレスなどの知見には、希望を感じています。
新風社の松崎さんの、TILLと、書店で再開できたときも
彼は、持続してよくやっているなあと、感心しました。
彼の姿勢は、ずっと一貫していて変わっていませんね。
ただ、書く側も、ただ難解で、抽象的な姿だけを
中途半端に追うのではなくて、どっちみち、C路線で居直るのなら
市場を、ズバッと刺すような、クールなアブストラクトを
提示しないとだめだなとも思っています。

いつか、クールなポップの詩の時代と
クールな(ウェットな)アブストラクトの詩の
時代もくると思う。



ちょっと長々となってしまいましたが、ちと感想。 投稿者:萩原健次郎
 投稿日:02月03日(木)14時31分51秒

これまでのやりとりを拝見して、なにか、ひとところに拘泥しているような気がするので
自分なりの意見をメモってみました。
以前も、どこかで述べたことなのですが

詩を書くこと、詩を出版することのサイクルには、次のような過程があると
思うのです。それは、

1.生きていること 2.詩を身体に持つ(感じる)こと 3.詩を書くこと
4.詩を他人に公表すること 5.詩誌を編集発行すること 6.詩誌を営業(プロモート)すること
7.詩集を編集すること 8.詩集を出版すること 9.詩集を営業すること
10.詩を人前で読むこと 11.詩を人前で読んでお金を取ること 
12.詩を読むことを身体に持つこと
13.生きていること 14.詩を身体に持つこと 15.詩を書くこと〜〜〜〜〜〜〜

分類すれば
1〜3は、創作で、5〜8がメディア化するための編集で、9が営業で、
10〜12は、特別な個人的領域で、創作でも編集でも、営業行為でもあると
考えます。

そして、9の営業することは、1の生きていることと密接に関わります。

ある詩と詩人Aは、自分の作品を、不特定大多数の人に読んでもらいたいと思いますが
別のある詩と詩人Bは、自分の作品を、不特定少数者の人に読んでもらいたいとも思うでしょう。
また別のある詩と詩人Cは、自分の作品を、特定少数者の人に読んでもらいたいとも思うでしょう。

ABCそれぞれ、詩質も出版のための目的もことなります。
そして、9の営業を他人の手に委ねた場合、収支のリスクは、委ねられた者の負担になります。
つまり出版社は、
上のABCそれぞれの「読んでもらいたい」を「買ってもらいたい」に置き換えます。
そして、このリスクを出版社は、ほかでもない著者に背負わせます。
これは、当然のことです。

リスクを緩和させるべく説得するためには、これも当然のごとく、著者は、
不特定大多数の読者=購買者が予測されることをプレゼンテーションしなければ
ならないでしょう。自己プロモーションもしなければならないでしょう。
なにかの賞をとることもそのひとつでしょう。

でなければ、Cを出発点(1〜3)とする詩人が、Aに至ることはありません。
逆にいえば、Aを出発点(1〜3)とする詩人は、Cの詩人の詩質とは、異なるし、
Cの詩質は得られないということなのです。

ぼくは、万人にわかりやすく、万人に感動や愉快を与える詩を書こう(1〜3)と意図したことは
これまで一度もありません。そんなことをしたら、1の生きていることが消えてしまいます。
詩集とは、売れないものであると思っています。
ただ、不特定多数の読者(購買者ではなく)に向けて、自分のマイナーな詩心を開いていきたいとは
願っています。だから、1〜12まで関与します。

ただ、書く=読まれる=売れるの数量が一気に押し上げられる、素晴らしい詩の世界が
新しい詩質のものとして生誕することも、いいことだと思ってもいます。
ポップな詩の世界というんでしょうか。
ただ、いつの時代も、ABCの詩質は、つねに共存するものだといいたいのです。

朔太郎でも賢治でも中也でも、彼らの詩集は、リアルタイムでは、
ほとんど売れていません。いまの現代詩人とその量は変わらないぐらいだといいます。

つまり彼らは、Cを出発点にして、死後半世紀もかけてAに達しているのです。
彼らにとって幸福なことであると思います。


http://web.kyoto-inet.or.jp/people/hag02041/





私は、高岡淳四さんが「阪神タイガース詩集」をつくったら、 投稿者:枡野浩一
 投稿日:02月03日(木)13時41分05秒

茨木のり子のベストセラーに迫るヒットになりうると思っています。






ああ、歌集や詩集の自費出版問題…… 投稿者:枡野浩一
 投稿日:02月03日(木)13時35分51秒

新聞あたりが取り上げてもおかしくないですよね。
なにかと話題にしてみます。
この話題だけで一冊、単行本をつくれそう。
新風舎を筆頭とする、「あなたの原稿を本にします」という会社の問題とも
関係してくると思うし。


http://talk.to/mass-no





そうそう。 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月03日(木)11時53分52秒

そうそう、枡野さん、この掲示板の最近の議論(自費出版)のこと、
なんか書いてみたら。田中さん、高岡さんの詩集のパブリシティにも
なるしね。この前例から、「これから、詩集を企画出版することはか
なり困難もあるけど、いい前例ができそうだ」というテーマ
でね。
朝日新聞でも、毎日新聞でも、宝島関係でもいいんじゃない。ぜひお
願いします。
僕もいま、ちょっと頼まれてるのあるんだけど、これはちょっと堅い
ものですので、この内容では書けない。宝島あたりから回ってきたら
この話題を書いてもいいよ。テーマは「詩集、歌集の自費出版のこと」
ぐらいでね。その場合は歌集のことは取材するから。






おはようございます。 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月03日(木)11時26分53秒

おはようございます。

えーと、今の議論に熱中して、いろいろ反応してない記事があってす
みません。落ち着いたら、さかのぼります。
どうも、きのうからの口調が抜けないので、だんだん元に戻りますの
で。(^^)

須永さん、ミッドナイトプレスでは、いくら払ったの?

(枡野さんwrote:)
>現代詩手帖賞なんてやってる以上、
>新人賞受賞者くらいフォローしなくてどうするのと私は思います。

そのとおり。「手帖賞は、企画出版として出版し、賞金も出し、売れたら
印税を払います」ぐらいやんなきゃね。
じゃないと、投稿して、載ってよ
ろこんで、自分が詩を書くことを自覚して(もちろんここまでがもっとも
重要だ)、そのあと100万円使う(^^)ことになったら、これは気の毒じゃ
ないかな、ということだね。

僕だって、思潮社なんとか周年記念の、なんとか賞(忘れちゃったけど、1984
年ぐらい)の批評部門で1番になったんだよ。なんとか賞批評部門優秀作(本賞
なしで、僕の批評は、「現代詩手帖」に載せてくれた。で、賞金も少しは出る
のかと思ったら一枚1000円ぐらいで、30,000円ぐらいの原稿料をくれただけだ
ったよ。
その時、亡き鮎川信夫さんが推してくれて(選者はあと、大岡信、谷川俊太郎、
吉増剛造)、それがいちばんうれしかった。その時、僕の大嫌いだった編集者H
が選考会の時にもいろいろ口だししたらしい。
そんなこともあるんだから、企画出版の話をもってきてよ>小田康之さん
(ウソぴょーん)
でもそれぐらいやれよ、ってのは本気だよ。

そうそう、藤原龍一郎さんはBooby Trapを直接購読しています。ありがとうご
ざいます>藤原さん。歌集もいただき、感想をしたためもせず、失礼しておりま
すが、今後ともよろしくお願いします。






おやすみなさい。 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月03日(木)01時47分56秒

枡野さん、子供の寝顔って、かわいいよね。
僕も寝る前に、下の記事までバックアップとってたら、また枡野
さん、登場で(^^)。でも、僕ももう寝ます。おやすみなさい。
枡野さんも、夜更かしして風邪など召しませんように。

で、新風舎の江口さんの詩集もってますよ。あれ、いいですね。
新風舎、本を絶版にしないでエライ!!
企画出版の会議にこのへんの詩人、かけてくれない>松崎さん(新風舎)
なんてね。
曇ってるけど、それほど寒くないね。おやすみ、枡野さん、と可愛い赤
ちゃん。






子供を寝かせつけ、また来ました。 投稿者:枡野浩一
 投稿日:02月03日(木)01時33分53秒

新風舎、私は自分の場合しかわかりませんが、
けっこう営業努力をしてくれていると思いますよ。

田中庸介さんと同じ「妃」にいた江口透さんの第一詩集は、
新風舎の編集者が企画を彼に持ちかけ、
費用を出版社がかなり負担するという条件で世に出たはずです。

あと、新風舎は基本的に本を絶版にしないので、
昔昔の、さとう三千魚さんの詩集なんかも注文すれば買えるとか。

詩集や歌集で、増刷かかったの、二坂さんの本以外にもけっこうあるようですよ。

私が新風舎の別レーベル「フーコー」で企画を手伝っていたフーコー短歌賞は、
短歌百五十首を募集して、林あまりさん藤原龍一郎さんが選考をし、
大賞をとるとタダで単行本化してくれるだけでなく、賞金まで出ます。
第一回の大賞受賞者・もりまりこの本は、それはそれはかっこいい、豪華な本です。
(糸井重里さんのページで連載中。↓)


http://www.1101.com./morimariko/index.html





ぬりかべ・2 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月03日(木)01時09分56秒

>思潮社としては「だれだれは特別」ということを公言するのは、
>やっぱり避けたいんでしょうね。なんで彼だけ?
>という話になるから。

そんなこと、どうでもいいんじゃない、今、田中さんと高岡さんの詩集を
タダで作ってもらえば、「特別な人はこの人」とか考えるのはまったく自
由だよ、
たとえ、編集者が詩を読んでなくてもね(^^)。






それなら、たぶん。 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月03日(木)00時53分43秒

>私が交渉現場に立ち合った印象から言うと、
>「買い取り」っていうのはかなり二次的な話で、
>これは田中さん高岡さんの詩集は特別あつかいなんだな……
>という感じでしたけれども。

>まあ、売り上げの「結果」というのはまだこれからですし、
>それこそ「口約束」ですよね、田中さん。だったら、私も証人になれるし、
>お金払わなくても、いいと思いますよ。
>実際に本が売れる・売れないより、どれだけパプリシティできるか、
>という著者側の努力を見てくれる、という話でしたから。
>それによって思潮社の宣伝になれば……と私も話した覚えがあります。

あっ、それなら商法でつっこめるよ。たぶん。この書き込みも証拠になるよ!
努力してタダにしてください。おめでとうございます。
その後問題が起こったら、弁護士に話してみるといいよ。






売り込み 投稿者:清水鱗造
 投稿日:02月03日(木)00時45分26秒

なんかchatみたいになってきたけど、

>以前から知り合いの、二坂さんという版画家詩人の詩集、
>私のと同じ新風舎から出ているのですが、
>このあいだついに初版が完売して、めでたく増刷するからと言われ、
>歌人・枡野浩一として「彼の詩を短歌化したもの」を帯に寄せました。
>
>彼は自分でどんどんマスコミに売り込んで、
>賞とるマガジンとか、公募ガイドとか、
>いろんなところでインタビュー記事を見ましたよ。
>(まあ、彼の作品はいわゆる現代詩とはちがう、わかりやすいものなんですが)

新風舎ってすごいじゃない。二坂さん、ってすごいじゃない。
相田みつを、みたいのはわかりやすい、合法的マインド・コントロールだから
ね。
(註:二坂さんのものは読んでいないので、二坂さんについて言ってるん
じゃないよ)

ぜひとも、庸介さんは、600部ぐらい売って、一銭も思潮社に払わないように努力
してください。あ、高岡さんもね。


枡野さんが示唆してくれた、二坂さんという方のやり方ぐらいやらないと売れないか
もね。現代詩で、そこまでやれるか陰ながら応援してますよ。「買い取りもあり」(金
出すこともあり、と同義)、という条件はもう消せないんでしょうかね。




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