うろこ新聞 2001年12月22日号（新宿西口高層ビル群の夜）
新宿西口の高層ビル群ができて、ときどき近くに出かけると何か異様な感じがしたものだが、このごろはすっかり慣れてきた。地下にコンビニがあったり、上のほうに普通のレストランがあって食事することもあったり、横が縦になっただけなのかな、と思ったりする。
21日には恒例になっている飲み会。西口近くの古い飲み屋で、吉田裕さん、築山登美夫さんと飲んだ。水曜には、池袋のバーで岡田幸文さん、山本かずこさんと飲んだ。こんなに外で頻繁に飲むのは久しぶりだ。クリスマスイブには西八王子のイベントで、飲む（朗読する）ことになっている。
時代は変わっていくが、たとえば、岡田さんがビートルズの歌詞をよく覚えていて、引用したり、かずこさんが宇野千代の古い本を、大事に読んでいたり、吉田さんがさかんにバタイユを翻訳していたり、築山さんの日常とか、そういうものが大事であることはずっと変わっていないように思える。そのひとりひとりの方の心の中にある何かを自分が気づいていく、ということを、こうしていつも繰り返しているのだと思う。
21日にはテロリストの話から悪酔いして、キレてしまった。なんだか申し訳ないが、ほんとうは、たまにみんなキレたほうがいいようにも思う。
終電がなくなり、タクシーの後部座席で寝ながら、家への地図を運転手に伝えていた。
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