うろこ新聞 2001年月日
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うろこ新聞 2001年11月8日号(晩秋の街)



 晩秋の朝の光は甘く感じられる。


 山茶花がきれいに咲きはじめている。


 ベルは、午前中からうたた寝。猫の姿態というのは、だいたい形ができているから不思議だ。


【倉田良成の解酲子飲食 50】

保存食――あるいは乾物考

 日本古来からある保存食といえば、副食、調味料の類は、熨斗鮑、鯣をはじめとする魚介の干物はすぐに思い浮かぶが、主食となると乾飯、焼き米くらいしか数え上げられない。在五の中将の東下りで、カキツバタを詠み込んだ業平の歌に従者みな涙を「かれいひ」のうえに落として、それが「ほとび」てしまったという話があるが、それで乾飯は食える状態にもどったのだろうかとよけいな穿鑿を入れたくなる。調味料の乾物は、その本来の使われ方のほかに、そのまま削るなり千切るなりすると結構な酒の肴になる場合が多いが、加賀藩で何年かにいっぺん、城に備蓄してあった兵糧の鰤節を城下に下されてそれが金沢の茶人の珍重するところとなったという話は、日本の珍味というもののある側面を示しているように思われる。これが中国へゆくとなると、乾物は調味料どころではない、立派なメインのごちそうである。鮑、フカヒレ、海鼠、燕の巣などはみんな調理前は乾物の状態であって、これをもどして煮て焼いて蒸して揚げて、という具合に徹底的に手が加えられることによってみごとな一品が出来上がる。いちど食べてみたいのは金華ハムで、これはいま挙げた食材とは違って、元来フカヒレなどのスープのダシに用いられるのが普通のようであるが、製法を見てみるとまさに生ハムそのものであって、その相当に臭そうな風味とも相俟って、何か(マオタイ酒とはいわない)強いスピリッツのあまり上等でない中国酒、例えば白乾とか楊貴妃とかいうやつと合わせてみたら、元の雑劇に出てくる悪漢のような心持ちになれるのではないかという気がする。話が北方にいったので話題をそっちに移すと、モンゴルでは近年まで(あるいは現在まで)、独特の保存食があって、それは羊一頭の乾物だそうだ。むろん一頭がその姿のまま干物になっているわけではなくて、一頭分の肉をからからに乾し、水分を完全に抜き去ったのちに繊維になるまで叩くのだそうだ。叩きに叩いた末にそれは両掌に収まるほどの袋に入ってしまう分量になる。これを、故郷の食でなければ元気の出ない留学生や外交官に持たせるという。じっさいこれはひと袋で何週間ももつようで、東西冷戦時代、これで彼らは修羅場を幾度もしたたかに乗り越えたと聞く。涙でふやけてしまう日本の保存主食とはずいぶんパワーが違うみたいである。

                    解酲子飲食第一巻畢


【Linux奮闘記 2】(鱗造)

一人二役

 Linuxでは全体のシステムを動かせる権限のあるrootとユーザーのログインに分かれている。インストール時に、それぞれのパスワードを設定して、システムをカスタマイズするときにだけrootになる。コマンドラインでは、

$ su -

 と打つと、パスワード入力が促され、プロンプトが$から、

#

 に変わる。通常のユーザーはシステムをいじる必要もないので、自分のホームディレクトリでいろんなことをするわけだ。
 今日は、bash(Bourne Againシェル、Bourneは人名)でfortuneという短い文章の出てくるコマンドのマニュアルをテキストファイルにして、電子メール自分に送りWindowsで保存した。Windows版のfortuneは、長尾高弘さんがUNIXから移植してできている。これを本家のほうでやってみたついでに、膨大にあるオンラインマニュアルをテキスト化するコマンドを覚えた。

$ man fortune | col -b > for_man.txt

 とすると、

$ man fortune

 でシェル(WindowsではMS-DOSプロンプトのようなもの)上に表示されるマニュアルがテキストファイル化される(名前:for_man.txtなど任意に)。

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