うろこ新聞 2001年月日
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うろこ新聞 2001年10月30日号



 ここのところ仕事が詰まっていた。さすがに散歩の途中、塀際においてあったつぼみだった菊も立派に開花している。
 年末にはパソコンを自作しようとしていて、池袋などに出るとビックパソコン館などに寄るが、たまたまNさんから教えられて、中古カメラショップで、200万画素のニコンのデジタルカメラが15,000円で売っているのがいいというので見て、帰り際地下鉄に下りる付近で買いたくなって戻って買ってしまった。最新型は400万画素から500万画素であるが、新品を買うと自作パソコンができてしまう値段である。年末にかけての自作パソコンの予算を考えて大丈夫だろうということで、物欲を満足させたわけである。
 自作パソコンの助走でLinuxの日本語版パッケージも買った。これをパソコンにインストールして、PerlによるCGIをサクサクテストできるのは……やっぱりだいぶ先のような気がし始めている。


【倉田良成の解酲子飲食 47】

六角橋列伝

 最寄りの駅にある六角橋商店街というのは気に入っている。だいたい、昔からの商店街がない街というのを私ははなから信用できない。そこに若者や子供ばかりではなく、じじいやばばあや犬猫、鉢植えの類まで雑多に入り交じった街でないとどうも落ち着かない心持ちだ。六角橋は戦前からある旧い街で、ここに居を構えるまえまではそのことを知らなかったが、先達詩人の鳴海英吉さんが作品のなかで描いているとおり、だだっ広い通りは戦火をくぐっていまなお賑やかである。当然長続きする街というのは、まずい食い物屋というのはもちろんあるが、うまい食い物屋というのが確実に何軒かないともつはずがないわけで、そこのところを街の人間はよく知っている。食い物屋ではないが、魚屋として私がまず筆頭に挙げたいのが鮮魚「魚新」。濃い顔のおじさんたちがじつに巧妙にその日のお勧めを売り捌く。魚を食わせる店としてはいさ美寿司支店の「鉄ちゃん」が、仕入れにときとしてばらつきがあるが、横浜としては驚くほどの刺身を出す。焼き肉「ビルカバンバ」は行きつけの店で、その煮込みは個人的な尿酸値の問題を超越してぜひとも頼みたい一品だけれども、ここの並カルビは値段と肉質とを勘案して真に割安だと思う。そして洋食「ベル」のハンバーグや海老フライの濃厚さと甘さは、店のみんなが比較的高齢ということもあっていつまでも続いてほしいと思うけれど、ここの味噌汁が意外なほど香り高いということのほかに、かのベル・スコッチが陶器入りのやつでワンショット八百円で飲めることは下町ならではである。こういう街が存在するということは皆さんに認識してもらいたいとは思うが、できれば皆さんにはこの街にあまり来てほしくはないのである。

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