うろこ新聞 2001年月日
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うろこ新聞 2001年10月9日号(関さんちの犬・チャコ)



 関富士子さんの家にいる犬のチャコとヒキガエル。ヒキガエルを見るチャコの目が好奇心と困惑に満ちているようである。(鱗造)

 チャコは以前一本指さんに指摘されて気づいたのですが、写真では赤と緑の目をしています。ふだんは茶色です。(関富士子)



 本号からペットの飼い主とペットの名前を目次にも載せることにする。過去のペットは徐々に目次に書き加えていきます。 


【倉田良成の解酲子飲食 39】

鎌倉の鰺

 鎌倉には地の利があってときどき遊びに行くが、神社仏閣や街の後ろの山のほうを無闇に歩き回るだけで、昼飯に天ぷら蕎麦だけなんてこともあり、たまに海岸でコップ酒をやるのがいくたびか、というほど、飲み食いでいい思いをしたことはあまりない。というのも、ちゃんとした飲食をしようとしたら観光客の悲しさで敷居の高い店ばかりが目について、とくに若い頃、われわれごときにほどのよい店を当てるのは釘で針の目処を通すほどの業であったからだ。そんなあるとき、江ノ電側の裏通りを歩いていたらやや大きな魚屋に接して白い暖簾が清潔そうな、それでいてお高く止まっていない小さな店を見つけたので入った。なかでは三人の女性が包丁を握っていたのが意外だったが、黒板にその日のお奨めの魚が書き出してあるのがこういう店の常として安心できた。三人のうちいちばん臈たけて如才なさそうなのがやはり女将で、お奨めは鰺とのこと。出てきた鰺は塩焼きでもタタキでもなく刺身で、舌に乗せたら新鮮な魚の匂いと脂の乗りのいかにもやさしく女性的な味わいが、それまで知っていたどんな鰺臭さとも無縁なのに吃驚したものだ。小坪で揚がった鰺だという。そのとき一緒にいた友人が「ああ、俺たちは鎌倉で飲んでいるんだな」と言ったのが印象的で、別の折に違う友達ともう一度行き、最後に女房と行ったときには閉まっていて、確か店の名は丹治だったが、いまでもあるのかどうか分からない。

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