うろこ新聞 2001年月日
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うろこ新聞 2001年9月26日号



 昨日、一昨日とウチでやることがあって、ついカメラをカバンに入れるのを忘れてしまう。とにかくたくさん撮ると、たまにいいのが撮れる、カメラマンが写真を公開するときには編集意識みたいなのが働いて、いちばんいいショットを新聞などに載せるのがよくわかってきた。
 写真のないときのカオスとベル。いつも仲よしでソファに寝ている。


【倉田良成の解酲子飲食 33】

水について 其ノ三

 川柳の「酔ひざめの水千金に値つき」は蘇東坡の春夜詩にいう「春宵一刻値千金」をもじったものだそうだが、値千金のほかに酔「よひ」と宵「よひ」も掛けてあるような気がする。それと、この千金の値がついた水というのは、紀伊国屋文左衛門か誰かの豪商が吉原で遊んだ翌朝に所望する、特別に掘らせた井戸で汲んだ特別な水だった、という話を聞いたことがあって、そのときはなるほどと思った。ともあれ、この酔い醒めの水のうまさというのは古今東西変わらなくて、二日酔いの朝、どうかすると昼、起き出してまず最初に飲む水の味は、骨の折れる仕事が終わってほっとして飲む酒の最初の一杯に匹敵するか、やや凌駕する。この水の味わいのために酒を飲むのだと言う天の邪鬼も知り合いのなかにはいるほどだ。それは嘘だと思うが、よっぽどの依存症でないかぎり酔いというのはいつかは醒めるわけで、いうなれば一連の酒を飲むという行為は水によって完結すると考えていい。一時喧伝された、酔いの醒め際には体液と同じ組成のスポーツ飲料がよいという説は、実際にいろいろ試みたが、あまり信用できるものではない。あの甘さが渇きをいや増させるのだ。以前いつも二日酔いの状態で仕事に来る仲間がいて、仕事場に清涼飲料の自販機があったのだが、そこで買ってきた烏龍茶の缶を昼飯までに十五、六本並べたことがある。飲んだ本数もさることながら、よくもそんなに小銭を持っていたものだと感心した。

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