うろこ新聞 2001年月日
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うろこ新聞 2001年8月27日号



 今日はなんだか忙しい日である。珍しくナンバリングを使った。インクが枯れていて350円のインクを文房具屋さんに買いに行った、というくらい使っていない。今はパソコンでプリントアウトするときに、自動的にページ数が入るのが普通である。でも、こういう道具もたまに使うと懐かしい感じがする。電卓は100円で買ったもの。


【倉田良成の解酲子飲食 14】

昭和懐旧

 昭和も後期の四十五年以降になってくると話は多少異なるが、それ以前、食生活の洋風化とは言い条、ずいぶん変なものを食べていたような印象がある。インスタントラーメンは申すまでもなく、粉の即席スープ、馬肉やら羊肉などがたっぷりのハム・ソーセージの類、いかにも工業製品といった感じのマーガリンなどなど、それらに混入されている添加物ひとつをとってみても空恐ろしい気がするが、よくもまあ、あんなものを日々摂取して生活が豊かになった幸福をしみじみと噛みしめていたものだ。見方を変えれば肉とか脂というものがそれほどありがたかったのだ。テレビでは演芸番組が大はやりで鳴っていて、「夢もチボーもないもんね」とか 「カラダだけは大事にしてくださいね」とか 「旅ゆけば〜」とかが流れていて、いま思うと奇妙に明るくて悲しい風景だったようにも感じる。テレビのまえの卓袱台を囲んでいた、じいさん・ばあさんはとっくの昔に骨壺に納まり、壮年だったとうさん・かあさんたちにはどうかすると曾孫ができ、悪さの限りを尽くした隣のにいちゃんはそろそろ還暦を迎えて、ブラウン管にむかって口を開けて笑っていたわれわれ子供の頭には白髪が混じり始めている。ちなみに、羊肉はいまでは高級食材である。

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