うろこ新聞 2001年月日
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うろこ新聞 2001年8月26日号(沢蟹号)




(「裏クィクィ」のBBSからの話の流れ:鱗造注)昨日は不本意な写真しか撮れなかったので、今日は買い物がてら、崖下の道まで行って撮影してきました。
 上の写真2枚は、崖下の通りから多摩段丘のグリーンベルト保全地域を撮影したもの。緑が生い茂っている方が、崖の斜面になっていて、そこをのぞき込むと、下写真の中央に見えるような、赤土の関東ローム層がむきだしになっているのがわかります。
 場所によっては、その粘土層から、地下水がわき出ているわけです。



 そこに場所によっては沢蟹が棲息しているわけですが、崖の上の私の家の裏手からその地域を見下ろすように撮影したのが、この写真です。
 すっかり落ち葉に覆われて、そのうえ夏の渇水で、水の流れが見えないですが、中央左手の黒い染みみたいなのが(^^;、そのわき水の筋です。雨期などにはちゃんと流れになります。


 崖下に降りて至近から撮影したのが、上の写真です。なんかよく判らないでしょう(^^;。
 この石をひっくり返して探すと、沢蟹がきっといます(勘)。ちゃんとした立ち入り禁止のフェンスがはられる、数年前までは、夏休みになるとどこかから、子供たちがカニを捕りに来て騒いでましたから。(photo、文章:桐田真輔=福生市在住)



沢蟹
 沢蟹については、鱗造も文章をかくつもりで、増殖予定。



【倉田良成の解酲子飲食 13】

東京の夜の味

 最近はまりこんでいるものに葱ラーメンがある。なぜ葱ラーメンなのかと理由を問われても困ってしまうのだが、直接には、学匠詩人・駿河昌樹大兄の作品に「江古田駅前『蔵太鼓』のねぎラーメンと焼き餃子」というのが出ていて、それが秋の練馬のいかにもしっとりとした夜を思わせてにわかに食いたくなったのが動機といえばいえる。そういえば、ビブラフォンのミルト・ジャクソンの来日作品に「SETAGAYA」というのがあって、車の走り過ぎてゆく音と欅の梢のざわめきが一緒になった独特の東京の夜の雰囲気を伝えていた。葱ラーメンにもこのしっとりとした夜の匂いがあるのであって、コートの衿を立てた美男の駿河兄が深更の店で麺をすする音をさせるのはまことに図柄になっている。まあ、ちょっとした直侍というふうである。それに愚生があやかろうというのではもちろんないが、居を据えたここ横浜でそれを味わうのはもっぱら六角橋「力じから」でだ。午前十一時から午後十一時までやりっぱなしのこの店は、仕事の時間帯が不規則な当方にとってはありがたい存在で、夕方の光がいっぱいに射し込むオープンエア風の小さな店内で葱の辛みに目をしょぼつかせていると、私にとって葱ラーメンとは夜の匂いではなく、夕映えを思わせる味という気がしてくる。

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