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うろこ新聞 2001年8月10日号

【倉田良成の解酲子飲食 1】
乾き物
最近でこそ柔らかくて甘くて湿った食い物が幅を利かすようになったが、少なくとも昭和四十年代の半ば頃までは、固くて甘くなくて乾いたものが子供のおやつや大人の酒の肴の主流だったように思う。大人の例でいくと、それはたとえば乾き物と呼ばれるやつで、いまでもみすぼらしいバー、スナックの類で「乾き物でいいからなんかない?」などという地位にまでおとしめられてはいるが、昔は(とはいっても中古にまで遡るが)、アタリメやカチグリやのし鮑などはれっきとした酒菜にして縁起物でもあったのだ。縁起物のほうはその淵源をよくは知らないが、肴という点に関しては、昭和三十年代の頃の私の親父たちが戸外で酒を飲む際、お袋などがそこにいない場合、よくこの豆や烏賊や干魚などの乾き物を買ってきてぽつぽつと摘んでいたのを憶えている。保存と携帯に便ということもあったかしらないが、おこぼれに与るその乾き物の味の濃さと歯ごたえは子供心にも印象的ではあった。その際多かった旅行や花見というシチュエーションもおおいに影響したのかもしれない。長じて後、いつかの花見に百グラム千円くらいのカチリ干しとその何倍かする貝柱の干物で酒を飲んだことがあるが、その外見とは掛け違って酒と合わせた味わいは口のなかがいかにも豪勢、という感じで夜桜が幽玄に見えた。いま思えば私もその頃の親父たちとおんなじ年格好なのである。

【鱗造の街歩き】
多摩川の川べりに「草いきれ」を探しに行ってきました。
川へとづづく小道。立原道造の初期の小説「あひみてののちの」は、高原の小道が重要な背景だと思う。
ここのところ雨が降っていなかったので、ところどころ草が枯れていた。
マンションを背景にしたヒマワリの花。でもこれは普通種のヒマワリではないかもしれない。
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