亡霊列車ユー
遠くから列車が陸橋を通り過ぎる微かな音がする
その子供はよその子alienだった いつでも 何処に行っても
道草に誘い出した その日出会ったばかりの友達は
途中母親と何処かへ消えてしまった
その母親には子供は只の子供だったから あまりに只の子供だったから
街は突然 よそよそしいものになる
泣きそうになるのをぐっとこらえて めちゃくちゃに馴染みの道を探して歩く
あの道を曲がれば 郵便局が・・・きっときっと
重い重い絨毯の下を這いずり回る
その時 子供は見てしまったんだ 草いきれする土手の下
列車は突如 遭遇し・・・ 知らない生活、何処から来て何処へ行く
そして何故そこへ行く
窓枠の光の四角、それは生命の断片か
列車はユダヤ人をいっぱい詰め込んで ただ走る ひた走る
子供の身体の中をゴーと突き抜けて行った
それは既に過去だったから あまりにも終わらされたことだったから
大人になっても立ち竦すくんでいる
あたしが子供だった頃 そこは風がびょうびょうと吹いていた
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