金属犬







鉄を砕く音が靄に響く
このヘレニズムの壺の世界に
悲しみは深い青
夜明けは僕の意識を氷結させる
風は失明しているのか?
僕の緑の視覚に銀を注ぎ込む
生の次元から次元へと湖の底は酩酊する
僕は何かを失った
一足の靴を履くために
何かを失った
細い通路を歩くために
血の管を通り抜け
出会う何かに目を覚ます
朝という朝
暗緑色が褐色に変わる
深い青が透明に変わる
朝という朝
出会う何かに耳を澄ます








うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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