爛倫

yoyo




陽光のふりそそぐ
恋の季節が始まり
春のそよ風に靡く
可憐なる花びらよ


色の濃いも薄いも
一輪の花に芽生え
新しい生命を育む


美しかろう息吹は
激しい熱情の渦に
凛として輝いてる
一本の雌蕊の周り
とりまく雄蕊たち
花粉を嵐のように
競い合って飛ばし
秀でる物が受粉す


君臨する女王の姿
その濫倫する様に
目を覆うことなく
香りさえ漂わして


異常気象のつづく
風の吹かない今日
蜜蜂により全ては
あの六本の手足に
纏わりついていき
気高く咲き乱れる
隣の花へ運ばれて
玉座は略奪された


爛倫の眩しき日々
終末のとある日に
結実を告げられて





うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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