麻友美

山田三平



 青空の断崖を
 麻友美は疾走する

 全力で走る麻友美を
 僕は
 地上の
 世界の果てで捕らえた

 両手を大きく広げて
 裸で疾走する麻友美を受け止めると
 麻友美は 
 少しだけ僕に微笑んだ

 そして
 別れの言葉だけを残して
 青空の粒子になってしまった
 
 麻友美らしい別れ方に
 苦笑した僕は

 遠くで光っている
 青空と僕らの境界線へ
 麻友美の欠片を探しに出かけた
 
 


うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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