旅立つ君へいつき・たつき
まだ見知らぬ君の
旅にゆく前と 後の
顔かたちの変化を知ることは出来ない
毎晩
語らっていた言葉は
空虚で重さのない電気信号だった
が
その刺激を受けて動いた
その心
その重さの分だけ
僕らはなにかを
交換した
どこからどこへいくのか
僕が知るのは ただ
風が変わるということだけ
はためく君の服は
君の皮膚を違った空気に浸すだろう
そして
いつか再会し
初めて出会う僕を
旅先で一晩
思いだしてくれれば
帰ってきても
何も訊かず
ただ いつものように
一緒に戯れよう
それだけで
いい。 |