チベット巡礼

yoyo





オムマニペメフム蓮の葉の御元に、オムマニペメフム蓮の葉の御元に、オムマニペメフム蓮の葉の御元に
ラサ州都へ向かう旅行者
カイラス聖地へ向かう殉教者



バスは高度5000メートル地点の峠を越える時、
カラフルな布切れは万国旗のようにはためている。
無造作に積まれた石山は無事の祈りを捧げている。


私たちは民族或いは宗教の壁を抱きつつすれ違う。


黒の民族衣装には砂埃をいっぱいにあびている。
その衣服は既にぼろぼろになってしまっている。
太陽にほど近いこの地ゆえ黒褐色の肌は煌めく。


幾度となくその姿をみるだびに己の生き方を省みる。



枯れた大地に咲く見たこともない姿の花の力強さ。
高山の狭間にある深く濃い紺碧色の湖にうつる月。
辺りの山の陰影は照らされてその湖に染みわたる。


ここには魚さえすめないであろうと自問する。


その脇にある小さな寺で殉教者とともに泊まる。
麦の粉をバター茶と練って食することを教わる。
塩分と油のバター茶、高山病ももう飽きている。
しかし、チベットの人々はこれを主食にしてる。
食事が終わると再びマニ車を回しはじめている。
言葉を失うほどの圧倒的な信教心がここにある。



一生に一度はツァンパ麦焦がしをもちて、あの聖なる山をコラル回るする。
一生に一度の夢を実現させる信者は、マニ車回すことでお経の代りになるを回し回ししてその時期を待つ。



よくぞ人間はこの地に住み自らの悟りのために、
全身で五体倒土をしながら念仏を唱え巡礼する。
旅人はその純粋で崇高な生き方に心を奪われる。


絶対的な生存への苦悩がそうさせたのであろうと!



オムマニペメフム蓮の葉の御元に、オムマニペメフム蓮の葉の御元に、オムマニペメフム蓮の葉の御元に
ラサ州都へ向かう旅行者
カイラス聖地へ向かう殉教者



うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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