れもん

けんじゅう




れもん
枕のように
かわいいれもん
れもん
ラグビーボールのように
たくましいれもん
れもん
手投げ弾のように
危険なれもん

紅茶に れもん
サラダに れもん
唐揚げにも れもん
ハイサワーに れもん
鰺の塩焼きにも れもん
そして
ぼくにも れもん

れもんに
かぶりついてみろ
絞り汁を顔面に
しこたますり込むんだ
細胞の一つ一つが
「酸っぱい!」と
叫び声を上げるほどに

舌はじんじん
肌はひりひり
目はちくちく

眠気も怠け心も
一気に吹っ飛ぶだろう
くよくよ うじうじなんか
ワイプ・アウト!

ぎゅっと閉じた目の奧に
広がっていくのは
キャルホルニアの青い空だ
ヤッホー!

友よ
生き詰まったら
れもんにかぶりつけ






うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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