河合民子
白いウル花枝珊瑚
秘密の欠片
海の祠
黙っていってあなたを持ち帰る
骨が触ってふわりと夜
風はするりと海へ逃げたよお
闇を這いだすあなたがそろそろり
白くウルウルウル
うる濡れて
浜で抱きあったのは二十歳の月夜
水を撫でた根引きの夜
骨を洗う闇夜は二十九日
黙っていったあなたを洗う
忘れない
けして私
ウルの花咲いたよお
一人でいってさかせたウル花枝珊瑚
私がひろったウルウル珊瑚
さしだした手にくらいついてよ
ウルの花
あなた
あなたの骨のおすましを
そっとしづかにのんだから
あしたは
きっと
黒いパラソルさして
あなたを後生まで送ります
ふりむかないでいってください
わたしの骨を洗うのはだれ
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