お気をつけて!
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お気をつけて!



いつき・たつき

人の柔肌が
  温もりが
  息づかいが

心地良いのね
あーよかった

私は眠れない

今にも
目を閉じて目玉ばかり
ぐりんぐりん動かしてる私の
身体の奥底から悲鳴もなにもなく
もう一人の
私が浮かび上がって
貴方の首に手をかけそう

喘息を起こした
修学旅行
枕投げの残骸が
遅れて空から降ってきて
気付けば
冷えた空気の狭い天井の下に
一人移されて

よく眠れましたか
ええ5時に起きました

あのまま
寝ている日が
一日でもあったら
私は多分誰かをいいえ
何かを潰そうと必死に必死で
掴んで締めて悲鳴が落ちてきた
大気をまくり上げて私の心に楔を

打つ
はず

今度やろうかしら
貴方の寝顔があまりにも
柔らかに崩れずに在るのが憎い
私の手はまだ白くてまだ広がっていく

さ、
「      !」

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