声
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声



小泉伸明

あっと思った瞬間「カサッ」と音がした
セミの死骸であった
夏の太陽に乾かされ
セミのカラダは光の中で影に覆われる
そして「カサッ」という音と共に
影から飛び立ち
何日ぶりかの光を浴びた

セミが大声で鳴くのは
誰かに探してもらいたいからだ
鳴かなくなったセミは死んでいる
それから踏んづけられて音を出し
影の中に生を宿す

動的なものではないのだが
夢の狭間で回想するのだ

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