うろこ新聞 2003年4月1日号(苔の花軸)
宮沢賢治の「蠕虫舞手(アンネリダ・タンツェーリン)」という詩は、手水鉢のぼうふらを描写しているが、その新鮮度は高い。
(ええ 水ゾルですよ
おぼろな寒天(アガア)の液ですよ)
日は黄金(きん)の薔薇
赤いちいさな蠕虫が
水とひかりをからだにまとひ
ひとりでをどりをやってゐる
(ええ 8 γ e 6 α) 【註:英読みのルビ付き】
羽むしの死骸
いちゐのかれ葉
真珠の泡に
ちぎれた苔の花軸など
(以下略)
「ちぎれた苔の花軸など」の植物の肉質がいかにも陽射しを鮮やかに受け止める。
さっき桜草の鉢を見ていたら、苔がたくさん花軸を出しているのを見つけて、撮ってみた。
杉苔、銭苔、苔の親玉のような岩松、そして羊歯。これらはきれいな水にとても合う。
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