うろこ新聞 2002年10月2日号(台風一過、桐田さんの写真)
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うろこ新聞 2002年10月2日号(台風一過、桐田さんの写真)



台風前に撮影に撮影されたものという、トンボの写真を桐田真輔さんからメールで送っていただいた。以下、桐田さんのメールより写真撮影の状況:
場所は多摩川の堤防のうえ(残暑見舞いの葉書写真と同じ場所)。
トンボがとんでいたので、指を立ててみたらとまった。
それを右手に持ったデジカメで近接撮影(^^;しました。

写真:桐田真輔


新編 倉田良成の解酲子飲食 6

片瀬の魚
 女房と久しぶりに江ノ島へ行った。江ノ島へ行くには、どこからでも藤沢を経由するのが便利だが、私は鎌倉で降りて江ノ電に乗ってのんびりとかの島に至る途を好む。鎌倉はそれほど海の観光地という感じはしないが、江ノ島は駅を降りたとたんに、こっちの幼時の記憶とないまぜになった海の気分が横溢してくる。島の猫をからかい、どうにも無国籍で色っぽい弁天様のおわします島の観光をざっと終えて、さて気の抜けない夕食はどうするかとなると、大方の向きは貝作などの有名料理店か、若者が呼び込みをやっている小商いにするかで大いに迷うところであろう。われわれはいっそオカに戻ろうということで、片瀬江ノ島近辺をうろうろしていたら、地元の和菓子処のおじさんが自分ところの二階を指して「ここ、おいしいよ」とのたまう。半信半疑で二階に上って、まず奨められたシラスの生が素晴らしかった。刺身でも出している大カマスの天麩羅が素晴らしかった。ほんのちょっとの酢と塩の気があるだけの、刺身とまごう〆鯖が素晴らしかった。みんな微妙な時の推移でありきたりか、むしろ不味なものになってしまうものばかりなのに、そこには新鮮なもの特有の、ただちに消滅してしまいがちなある種の匂いがオーラのようにたちのぼっていた。あんまり不思議だったので給仕をしてくれるおかみさんに、どこの市場で仕入れているのかと質問したら、市場ではなく定置網から直接買い付けてくるのだと聞いて納得した。さいごに、折角江ノ島に来たのだからとサザエを注文すると、キモがクリーム色で、味はムースのように甘くて軽いのが普通のやつの常道を離れている。これもこの店独自の売り物かと思ったら、皿を置くときおかみさん声を励まして、これは欲しくてもあまり当たることのないサザエの牡で、お客さん今日はついてると言われた。(短期連載・了)

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