うろこ新聞 2002年7月24日号(新編 倉田良成の解酲子飲食…短期連載)
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うろこ新聞 2002年7月24日号(新編 倉田良成の解酲子飲食…短期連載)



 昨日の夜は昼間家人が出かけていたせいもあって、閉め切ってあり、帰ってきたら部屋の空気が熱く仕方なくリビングも冷房した。犬は玄関あたりの涼しい場所で寝ていたらしい。
 昨夜は小笠原あたりに台風がいたとのことで、空は不安定に雲が漂っている。上の写真は今日午前9:30に撮ったもの。
 昨夜、結局3カ所で冷房のスイッチを入れたら、ほかに電気製品も稼動しているせいもあって久々にブレーカーが落ちた。

 倉田良成さんから、久しぶりにフロッピーを送ってきて、食べ物の話が10編入っていた。最初から、我慢会みたいな「水炊き」の話であるが、短期連載で10回掲載する。

新編 倉田良成の解酲子飲食 1

水炊きの夜
 ここ、生麦に引っ越してきて最初にしたことは、うまい魚屋と安い酒屋、よい豆腐屋、それにチェリーを置いてある煙草の自動販売機を探すことだった。煙草と酒屋のほうはなんとか見つけたが、魚と豆腐はいまだスーパーのお世話になっていて、情けないことはなはだしい。ちなみに、近くの鶴見の街には西友と京急の二軒のスーパーがあって、西友は肉と野菜はややよいが魚では弱く、反対に京急は野菜はまあまあ、肉はやや弱く、魚類に軍配が上がる。まえの所でうまい魚を食いつけてきたもので、スーパーの魚の貧弱さにはほとほと参っているが、こういうことがあるので恵まれた環境にいるというのも善し悪しである。まあ愚痴をいってもしかたがないからこれくらいにしておくが、お陰でわが家では肉類の消費が飛躍的に伸びたようだ。牛と羊がメインのメニューだったが、例の狂牛病騒ぎでとりわけ鶏類に食指が動いている。冬は簡易水炊きである。材料は鶏もも肉(できれば地鶏で骨付きのぶつ切りが理想だが)、豆腐、キノコ類、それに長葱とこれだけ。土鍋に水を張り、鶏のガラを入れ、沸騰させる。沸いてきたら中華材料の鶏ガラスープの顆粒を適宜と、ここで惜しまず大量の酒をぶち込み、再び沸騰したらスープの出来上がりとなる。カセットコンロに鍋を移して、鶏、豆腐、キノコの順に放り込み、逆の順序で食い進む。タレは大根おろし・細葱・水炊きスープに酢と醤油と一味唐辛子を混ぜたもので、一味は沖縄のコーレーグースーで代用してもよい。最後の肉のときに素早く長葱を入れ、さっと火が通ったら肉とかわりばんこに食する。葱は辛さと甘みが交替するあたりで引き上げることが肝要。このときが至福なのである。一番最後に中華麺を入れ、すすりあげるころには、冬夜が、深沈と更けてゆくのだ。

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