うろこ新聞 2001年月日
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うろこ新聞 2001年8月22日号



8月22日8:00の窓の雨のしずく。台風11号は歩く速度で進んでいるというが、いよいよ近づいて、嵐になってきそうだ。早めにカオスの散歩をすませた。ずぶ濡れのカオスを拭いているそばで、妻は出かけるので交通情報を見ている。


【倉田良成の解酲子飲食 8】

おにぎりを求めて

 ある日曜日、五月の新緑もいよいよ深まってきた陽気のよい午後に、女房とすぐ近くの公園(かなり広い)に散歩に行ったのだが、公園中央の原っぱや斜面で家族連れがてんでに弁当を広げていて、ああ、かくも金のかからないレクリエーションが盛んなのも昨今の傾向なるかなと感心していたら、女房が突然「おにぎりが食べたい」と言い出した。これから家へ帰ってご飯を炊いてシャケを焼いて握り飯を作って公園へ戻って来るという。公園にいるみんなと同じく弁当を広げたいと最初は言って、行楽気分をもいちど味わいたいのかと真意を測りかねていたら、よくよく聞けばとにかく「シャケのおにぎりが食べたい」のだというのだ。さいわい、コンビニがそばにあるのでお易いご用とばかり公園そばのセブン‐イレブンでおにぎりを買おうと入ってみたら、誰もが考えることは同じで、誰もが家でご飯を炊いてシャケを焼いて握り飯を作るなどとはハナっから考えてもいないらしく、シャケや梅干しやオカカの類のおにぎりは店頭に一個も残ってはいず、公園の幸せそうな団欒の素はおおかたがコンビニで買われていったものだと知った。商品棚にコンセプトだけが先行したとおぼしき「照焼きソーセージにぎり」なるものはずらっと売れ残っていたが、それも当然なことで、逆に言うとすればマクドナルドに誰が海苔巻の匂いを求めるか。女房は翌日同じコンビニで、海苔が巻かれて時間が経って自ずと湿ってきたというコンセプトのシャケにぎりを買って満足していた。コンビニ恐るべし。

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