変容 −第1歌−

徐 悠史郎







故郷、異郷/異形、ぼくの明るむ土 そら

黒いもの から白いものへ と崩れてゆくもの

見ている、遠くで 明るんでいく

空。ぼくの黒い土、耳のなかの風景



灰/胚という美しい呼び名で

あなたは振り向かれる そのとき3を喪失、

球状に思惟する耳、あなたの 胎のねむり 特異点にて

その世界は4 を手からこぼす



い死――――かたち。手のひらに肉をのこして

ぼくは今誰でもなく空を口にふくむ

〈わたしたちふたり、〉土の上を歩くことも忘れて久しく

土という声をきく ……真空の 、 中心で……



雨/狂い。肩をおおうもの ぼくの

視線のうらがわにあるまなざしが見つめようとする幕

零の角度をとって右にずれていく世界線の際で

ぼくは盲いて呼ぶ・あなたの降雨する声









                        2002.05.27〜


うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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