馬と人

カキフライ


馬はうつむいた
馬は平然としていた
そして確かに日々を坦々と確実に生きている
馬は大喜びもせず 常におだやかだった
軽く目をつぶり 馬はただ草を胃に入れていく
馬はただ 生きるために 当然のことをする

人は遊んでいた
人は食べ物を選んでいた
あきらかに余裕があった 色んな物を手に入れていく
人は好奇心だらけで そして「趣味」という言葉が存在した
自分を不幸だと思い込むことばかり得意だった
約束があった
規則があった
そして他の何よりも幸せな生き物だった(たぶん)


うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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