帰宅の路

yoyo




錆びてゆく鉄格子のその奥に

緑の木々の起伏あり

よじ登り 

昼寝をしようと寝転んで

しらしらと覚めゆく夢に

声だせず

泣く日々に

短剣をかざしてみるも

返り血浴びて

真っ赤な夕日に混ざっては

暮れゆく陽

揚々高くなりにけり

我が命枯れていくには

早過ぎて

おしくもがなと

黄昏時

紫陽花摘んで口ふくみ

その苦味

ある岐路に

立っていると実感し

降りゆく雨さえ

いとおしくもあり




うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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