壊れたカーテンレール

阿麻


壊れたカーテンレール
パーツは、
カラカラ 音たてて
たどたどしく告げる一日の幕切れ
何千日ぶんの火蓋が
このカーテンの開閉とともに
切られてきたんだっけ

あと
何万日ぶんもの、
ゴールとスタート
落ちたカーテンの端から陽がのぞいてる
何億回も際限のなさ とりとめのない
指慣らしの
ピアノを弾く子の香りを見極めて応援するくらい
人なつこい人多く住む 下町で

もうじき濃い影が長くなるだろう
カーテン開けたら陽が
ねじれて やがて落ちたら 影のあるじが
また閉じるカーテン


うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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