無題

懶蝶亭



海を埋め尽くす無数の海獣
それらの移動に
海は慄き
激しく毛羽立つ

逆巻く海鳥の交尾
海獣の胴震いに振り落とされもせず
雌鳥は厚い皮膚の皺の狭間に産卵する
そして独身ものは空中を埋め尽くす

これは有名な男の記述だ
彼にはおよそ知らぬ生き物はいない
彼を知らぬ生き物もまたいないのだ

有名な彼はそれを食べている
それが骨だけになった時
始めてそれは彼によって名付けられる


海を埋め尽くす無数の海獣
それらの移動に
海は慄き
激しく毛羽立つ

逆巻く海鳥の交尾
海獣の胴震いに振り落とされもせず
雌鳥は厚い皮膚の皺の狭間に産卵する
そして独身ものは空中を埋め尽くす

これは有名な男の記述だ
彼にはおよそ知らぬ生き物はいない
彼を知らぬ生き物もまたいないのだ

有名な彼はそれを食べている
それが骨だけになった時
始めてそれは彼によって名付けられる


うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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