五月の風と

浅見 豊



あそこから
あれは
そのように墜ちて 深く
灰色に黙した雲が
風に乗りくびれ離れる
五月は
あなたの
からだ
この
少し湿った大気は
私の腕
眼 舌
這わせ
風にのる水
とどまることのない
静けさ


うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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