柘榴

ユー


つらつらとぬめるつめたい肉塊わたしの突起物貫く裸足にやわらかい柘榴ざくろの水分含んだ感触踏みしだく


強度のシンメトリーの羊歯しだにも似たつやつやの葉を噛み砕くのは噛み砕くのは海中で騒ぐチシャネコの歯


青紫の痣果肉のつるつるしたまるみころころと転がる追いかけて
緑紫のりらりらした果肉熟し見つめる視線を追いかけて歩いて追いかけ歩いて踏みしだく


柘榴を追いかけて踏みしだく踵かかとで?指で?追いかけて踏みしだく踵で?踏みしだく踏み指で?踏みしだくまだ踵で?まだ踏みしだかれていないまだまだ踵で?踏みしだくまだ踵の追いかけて柘榴を追いかけて踏みしだく踵で?指で?踏みしだくまだ柘榴を踏みしだく追いかけて踏みしだく指が触れる指がまだ


つやつやした割れた柘榴の真っ赤な一粒一粒のまるみまるまさまさぐる指を触れる指を挿入して踏みしだく踏みしだく追いかけて柘榴は潰される指が赤紫の柘榴が肉片を裂いてまみれる踏みし柘榴が熟れて踏みしだ追いかけ



赤紫の果肉ころころと音を奏でてころころと見つめている視線ころころともう一度歩いている踵で?指で?


誰も知らないところで誘蛾灯が二度瞬きをする






うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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