無題

まつおかずひろ(hiro)


距離がゼロaになったとき
その人は全然熱がありませんでした

ああ、この人は
人のこころを読もうとしている
人の望むことをしてあげることで
自分の存在を感じようとしている
だけど、もっと深いところでは
そんなことつまらない、と思っている


    母を嫌悪して
    飛び出したはずなのに
    母と同じことをしている

    傷つけようとしているのは
    あいまいな存在
    だが、その曖昧さも結構楽しめる
    始末に終えない


舌がからんだとき感じたのは
たばこの香り
本当の香りを隠す香り


うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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