クラウゼッツの自動機械

ユー&yoyo




僻牢走るひた走る 窒息した煤けた仮面を被った紳士
囲まれた石段 駆け上がる降りる駆け上がる

甲高い家政婦の笑い声

数千年も捩れて傾く屋敷 窓辺に差し込む矢じりと生物化された光の末裔
模かたどられていく枠内の裸体の女
浮かび上がって

室内から性器をくりぬいてく


チェロとバイオリン チェロとバイオリン

血で錆びれた不快音ノイズひっかいて


溺れる仮面紳士の図書館で 暗転してく粉砕された緻密な光輪


ネジは戻らない


切りとられ切りとられクロノトポス時空間の剥製を
吊られた人形に収斂させて 貫いて
サーベルで貫いて もう一度

それら全てを地下食卓に転開させて 海馬の蜃気楼の繰り返し



大人の赤ん坊は死ぬがいい



私共は肉を喰います












うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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