すま はま

まつおかずひろ(hiro)





ゆびの すきまからこぼれて

かぜにまった すなは もうない

ハマヒルガオも コウボウムギも ツルナも

きしょうしゅではない というりゆうで

うめれられようとしている

 

しおを かぶっても たいふうに あっても

いきる のうりょくは

だれに おしえられたわけでもない

いきるばしょを さずかって

じぶんのかたちで いきてきただけ

 

うみの そこに ゆれていた アオサは

じゃりに あっさつされてしまった

メバルも テンコチも タイのたまごも

ふなだまりの コンクリートが はかいし になった

 

なつ

とおくの うみの そこから はこばれてきた

おおつぶの すなの うえを あるく

あつもりが いのちをちらした はまは

すあしを さす じんこうの リゾートに なった



うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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