コーヒーとペニシリン

でじ


偶然の山火事からコーヒーが発見されて
偶然の嵐によって新大陸は発見されて
ペニシリンだって
片付け嫌いな化学者の部屋から
偶然発見されたもの
どんな偶然も実は必然で
どちらも双子の兄と弟のようなもので
雨雲の向こうには必ず青空があって
最後の扉は必ず地面に触れていて
どんな悲しいことだって
30年後には忘れてしまうんだ きっと
親戚にいる困ったおじさんは
多分おじさんなりにそれは普通で
道端に座る若者だって
急に吠える犬だって
普通と普通じゃないことも
やっぱり双子の兄と弟のように
同じことなんじゃないかと
何があっても結局は
そうなるようになっていたっていうだけで


うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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