踊り子

まつおかずひろ(hiro)




私はもう踊り子じゃない。お腹が出てきたし、盲腸のあとだって見苦しい。
衣服は飾るためものじゃなくて隠すために必要になった。

あなたはこれからの踊り子。素のままを見せればそれでいい。
そう、一枚、もう一枚。脱いで
臓腑まで見せてやれ。
客はあなたを見て歓喜するさ。あなたも温まればいい。

熱い視線を感じて、あなたの裸がみんなのものになって、
全身が紅潮しだしたとき、私はそっと裏木戸を出ていく。





うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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