瞬間接着剤(アロン・アルファー)……セッション・ポエム(作品008番)ゲスト/映画「妖婆・死棺の呪い」

セッション・ポエム(作品008番)ゲスト/映画「妖婆・死棺の呪い」
       1967年モスフィルム制作・原作:ニコライ・ゴーゴリ

瞬間接着剤(アロン・アルファー)


文豪ゴーゴリの妖怪小説「ヴィー」を特撮の魔術師プトゥシコが映画化。神学生ホマーの恐怖と戦慄の3日3晩。死棺が翔びまわり、蘇った美女の死体や、蠢くグロテスクな妖怪がホマーを襲う。カルト的人気を誇る伝説的怪作。




    ロシアの、
    冬です。
   (民話です)

  ――わたしたちはこの冬、数々の理由から、
    ほとんど誰にも会わないことに決めています。(サド侯爵の手紙)
【大切なのはたったひとつ、狂気よ、自己の錯乱を恐れないことよ。】*



    ロシアの、
    春です。
   (民話です)

    牡牛の 鼻の穴 ふたつ には、
        鼻輪が ひとつ、
       (ぶらさがっています)

    雌牛の BODYのなかには、
        初春のエレガンスと 白いミルクが、
       (ごあいさつをひかえています)

  ――牡牛と、
    雌牛は、
    ツケマツゲを交換しました
【大切なのはたったひとつ、狂気よ、自己の錯乱を恐れないことよ。】



    ロシアの、
    朝です。
   (民話です)

    100%の
    天国が降ってきた日、
    グリグミリンという名の、朝の魔女は、
   (自己本来の領分におりませんでした。)

  ――もう笑うしかありません
【大切なのはたったひとつ、狂気よ、自己の錯乱を恐れないことよ。】

    真昼です。
    ――ごあいさつをひかえておりました

    牡牛と、
    雌牛は、

   (最短距離の)
    菜の花畑で、

    ツケマツゲを 外しました。





【ほとんどの素材を強力接着。】**
  ――同じミスはくりかえさないとおもいます。






1999 2 27



* マルグリット・デュラス

** 接着剤のカタログより


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