南風原
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南風原



若井信栄 

やさしさはウージ(砂糖きび)を揺する風に托し  力まかせで
壁に向かって投げた石
あたって落ちて
たちまち転がって
あゝ愛の行く末がわかってしまうから
どうしても恋人になれそうもない
桜が咲くともう散ることを想ってしまう
だからよ  晩くなっても
会いにきてくれたけど
遠すぎるよ  こんなに近いのに  南風原(はえばる)
行き先未定のぼくは人生の栄養が
足りない駄作の「詩人」だから  憧れてしまうだけ
管理栄養士としての  南風原の風  ウージを揺する風


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