若井信栄 やさしさはウージ(砂糖きび)を揺する風に托し 力まかせで 壁に向かって投げた石 あたって落ちて たちまち転がって あゝ愛の行く末がわかってしまうから どうしても恋人になれそうもない 桜が咲くともう散ることを想ってしまう だからよ 晩くなっても 会いにきてくれたけど 遠すぎるよ こんなに近いのに 南風原(はえばる) 行き先未定のぼくは人生の栄養が 足りない駄作の「詩人」だから 憧れてしまうだけ 管理栄養士としての 南風原の風 ウージを揺する風