カワガラス
それは冬だった わたしは凍えていた
モミの木の林を歩いていると
滝から ひとりぼっちの鳥が
飛び出した。
それは 湿った岩の上で光った。
そして 水が ばかみたいに流れたとき
それ自身の喉から なだらかで
せき止められない歌を 絞り出した。
それは わたしが捧げる歌ではない。
わたしは この鳥を わたしの手におびき寄せることはできない。
川の深さを知りながら
川の歌を陸の上で歌う この鳥を。
それは冬だった わたしは凍えていた
モミの木の林を歩いていると
滝から ひとりぼっちの鳥が
飛び出した。
それは 湿った岩の上で光った。
そして 水が ばかみたいに流れたとき
それ自身の喉から なだらかで
せき止められない歌を 絞り出した。
それは わたしが捧げる歌ではない。
わたしは この鳥を わたしの手におびき寄せることはできない。
川の深さを知りながら
川の歌を陸の上で歌う この鳥を。