うろこ新聞 2002年4月1日号(山本テオさんのニューヨーク便り 2)
戦争もしくはテロ事件後バージョンらしきファストフード店の紙袋をもらい、ギョッとしました。袋一面に同じフレーズが各国語で書かれている。日本語も。「アメリカ人としての誇りを忘れるな」というその言葉ににおう正義感と、事件後半年経ってもまだ不安で眠れないという人の心情とは、まるで接点がないような。ところでこの袋、威勢がよいわりに、よく道路脇のゴミ箱なんかで、しわしわになって転んでいます。

山本テオさんのニューヨーク便り第2回が届きました。ものごとってのは「物」にする場合、限定された単純化に行き着くしかない。単純化して大丈夫なところがアメリカのすごいところだけど、袋は実用としてゴミ箱行きという当たり前のこともある。ぼくは日本人のあのテロ事件への言論にも本当は日本的単純さを感じている。(鱗造)
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