地球音楽

関田英介


僕の言葉が
コンクリの上でのた打ち回って
死んでいくのを
見ていた

  ※

夕暮れが始まり出した
すると木人形が物語を演じている
のを
笑うことの出来ない子の
手のひらに握り締められる
一冊の詩らしき物語

  ※

土と私は
離れたりはしない
地球の未完の踊りは終わらない
私は ここに 立っている

  ※

空の青さに詰め込まれた
言葉はもうこぼれ落ちそうになって
酷く耳鳴りがした
僕はカレイドスコウプだ
僕は蓄音機だ
僕は孵る前の空だ

  ※

雪が降る
他人のままで
交わされた口づけを隠す、ように
やさしく
おともなく
とおりすぎるために

  ※

地球が
語り出したのは
僕が君を探しているからだ


うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
UrokocityShimirin's HomePageSiteMap