祖母

yoyo




春の河辺利を歩く
小さくなったその背中
「手をつなごう」
と握る手は
淡く甦る幼き日々の
逞しくあった思い出さえ
野辺の花 水面のせせらぎ
余情の暮れる


耳元で大きな声で語る
「大きくなったね」と
時間の砂のいたずらは
度を過ぎて
わたしの胸をしめつける
たとえ輪廻があったとしても
あなたの孫でいられるのか!


垣根にしみじみと夕日
ただただあなたのそばを
離れることを惜しみつつ
母屋にもどる道すがら
これが最後かもしれないと
あなたは何度も何度も嗚咽


うろこシティアンソロジー 作品篇 No.1 目次前のページ次のページ
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