セッション・ポエム(作品012番)ゲスト/映画「エバンス博士の沈黙」
1973年モスフィルム制作・脚本、監督:プジミール・メタリニコフ
桃の花
長寿の研究者エバンス博士の乗った飛行機が墜落した。生存者は8人。突如現れた異星人と交流が始まるが、エバンス博士を除き全員の記憶は消されてしまう。博士と異星人オランテとの不倫、ふたりを追うKGB。物語は意外な方向へ……。奇想天外な発想でソビエト社会を批判した問題作。 |
《ちいさなヒップの
花の蕾(つぼみ)、
その発信音は、プチプチ 》
(沈黙が、或るこのうえない放棄が、
われわれに来るべき目覚めの準備をさせている。)*
――きょうはリードを許しています。
《仮面をつけた
桃の花、**
その発信音は、プチプチ 》
(この樹の下で、ブランコあそびをしてもよろしいかしら、
あのとき、あなたに会ったかも知れない。 )
――いい選択です。
《クリーニング好きな、
果樹園の花、
その発信音は、プチプチ 》
1999 3 20
* 粟津則雄著「ルドン」・ルドンの日記より引用
** ルドン画・「仮面をつけたアネモネ」のタイトル名より引用
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