陽性・反応……セッション・ポエム(作品020番)ゲスト/映画「アッカトーネ」

セッション・ポエム(作品020番)ゲスト/映画「アッカトーネ」
                 脚本・監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ

陽性・反応


パゾリーニの記念すべきデビュー作。同性愛行為での告発、教職停止、共産党除名の失意の中で、カザルサからローマに母とともに移住したパゾリーニは、セルジョ・チッティを通じて、下層階級の人々に触れることになる。プロレタリアートにさえなりきれない彼らのいらだちに溢れた生活を描いた「希望のない悲劇」。




    彼の欲望のチャンスは
    あと一回分だけ、
    残っていました。

【とんで 火にいる 夏の虫。】*



  ――ドライ・アイスの用意です。

    ザカザカ坂を 上下し、
    ザカザカ坂を、

    ザカザカ坂を、

    ザカザカ、
    ザカザカ、

   (彼のペンネームは知りません)
   (冷たい水辺は 何処かしら?)


    ザカザカ、



  ――夜道(よみち)のさきは、何処かしら?

    ザカザカ坂は 何処かしら?
   (ホタルの水辺は 何処かしら?)

    ザカザカ、
    ザカザカ、

  ――ドライ・アイスの追加です。






  ――私のチャンスも、
    あと一回分だけ、
    残っています。

【とんで 火にいる 夏の虫。】


   (1999 7 15 陽性・+)
   (蛍光染料は使用しておりません)**




1999 7 15



* 芭蕉の句

** ティシュの表示より



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